限りあるお金を安心して使えるようになった
提案から半年が経過し、敏夫さんと洋子さんの生活には、穏やかな安心感が戻っています。
当初、敏夫さんはお姉様に対して「お金の話」を切り出すことに、相当な気の重さを感じていたそうです。しかし、作成した介護費用のシミュレーションを提示しながら、お母様のために最善を尽くしたいという思いと、そのための費用調整を依頼したところ、お姉様も快諾してくれたといいます。「あのとき、長く抱えていた気持ちが少し軽くなりました」と、敏夫さんは当時の心境を振り返ります。
また、老後資金の使い方が整理されたことで、洋子さんの気持ちにも変化がありました。以前は「使えば減ってしまう」という思いから、資産に手を付けること自体に不安があったそうです。しかしいまは、「どの資産を、どの目的で使うのか」が見えるようになり、年間の予算の中で楽しむ感覚を持てるようになりました。
「いまは『今年はこれだけ使っていい』というルールがあるので、罪悪感なく旅行の計画が立てられます」と洋子さんが話す通り、来月は久しぶりにご夫婦で温泉旅行に出かける予定だそうです。
子供との関係にも良い影響が
さらに、ご自身の相続税対策に着手したことは、お子様たちとの関係にも変化をもたらしました。
対策済みであることを伝えると、息子さんたちは驚きつつも感謝し、それを機に実家の将来について「住むかもしれないし、売るかもしれない」といった本音を交わすことができたそうです。「元気なうちに方向性を話しておくことが大切なんですね」と、敏夫さんは振り返ります。
親の介護、自分たちの老後、そして次の世代への引き継ぎ。50代後半は、さまざまな役割が重なりやすい時期です。今回のケースでも、介護費用、老後資金、相続をひとつずつ整理し、仕組みとして整えていくことで、ご夫婦は先の見通しを持ちながら暮らせるようになっていきました。



