企業は「モンスター学生」にどう対応するか
もうひとつ、先に述べたような「モンスター学生」が社会人として入社してきたとき、どうすればよいのか考えてみたい。モンスター学生が居丈高なのは、若気の至りもあるだろうけど、自分は客だ、金を払っているんだという認識が強いからだとも思われる。
ところが会社にとって新入社員は客ではない。でも、客だと誤認するような状況は揃っている。今は人手不足が叫ばれていて、新卒にとって売り手市場だ。さぞ優しく接してもらってきたことだろう。
新入社員目線にしても、受け入れる職場目線にしても、このお客様扱いをいかに忘れて、止められるかにかかっている。さもないと、「職場でカスハラ」という、わけのわからない事態に発展してしまう。
「仕事」を通じてコミュニケーションを取ることで、お客様気分の若者が甘ったれているだけなのか、ハラスメントとして考慮されるべき事案なのかは、だんだんと識別されてくるだろう。
ハラスメントによる分断はあまりに悲しい
大学激変の時代において権力問題があいまいになっているからこそ、ハラスメント問題はよりややこしくなるわけであり、大学におけるハラスメントを考えたいのであれば、まずは権力にまつわる交通整理が必要でないかと筆者は考える。
一番伝統的でわかりやすいのは権威ある教員によるハラスメントであり、それがなくなったわけではない。それに加えて、既に述べたように現代の大学はさまざまな権力が跋扈している。その力学をある程度見抜いたうえで、権力の不均衡に起因する問題にこそ注力すべきである。ハラスメントという言葉の乱用が、それに資するかを立ち止まって考えねばならない。
そして何より、ほとんどいない毒蛇を恐れて両者が望むコミュニケーションが阻害されるのは、あまりに悲しいことではないだろうか。
「ハラスメント予備軍に対して自衛するのは当然の処置」
さきほど出てきたこのセリフ、誰が誰に放った言葉だろうか? われわれがハザードとリスクを混同していないか、冷静に内省すべきだろう。


