この「いじめ」のケースは何が最悪か

今回のケースも同じです。

文房具の貸し借りという、どうでもいいレベルのトラブルから始まっている。でもそこからエスカレートして、集団での暴力と金銭要求に変わっている。

これ、もう「トラブル」じゃないです。明確に「加害行為」です。しかも6人ですよ。1対1のもつれじゃない。つまり、集団でターゲットを決めて、継続的に攻撃している。

構造的には完全に「弱い者いじめ」ではなく、「集団による支配」です。

さらに言えば、小学生が「慰謝料として10万円」という言葉を使っている。これ、大人の論理をそのままコピーしているんですよね。つまり、環境の問題でもあるのです。ですが、最たる問題はそこじゃない。最悪なのは、「止める側が止めなかったこと」です。

もう一度、言います。このケースで最もヤバいのは、「大人たちが知っていた」という点です。

保護者が連絡帳で訴えている。つまり、担任は知っていた。それなのに、「注視したいと思います」。

これ、翻訳するとどうなるかというと、「面倒なので何もしません」。そう、“やってる感”だけで、何もしていない。実質的には、「放置宣言」です。

教室の机
写真=iStock.com/mapo
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「誰もクビにならない」おかしな構造

しかも、校長も教育委員会へ報告していません。つまり、現場レベルでも組織レベルでも、両方で機能していない。これって企業だったらどうなるかというと、普通にコンプライアンス違反でアウトです。

たとえば会社で、部下が暴行を受けているのを知っていて放置したら、管理職は普通に処分されますよね。下手したら会社ごと炎上して、株価も下がる。

でも学校だと、それが起きない。

なぜか。

理由は単純で、「責任が分散されている」から。言いかえれば、「責任の所在が曖昧だから」です。

担任の問題なのか。校長の問題なのか。教育委員会の問題なのか。結局、みんなで少しずつ悪い、みたいな構造になる。結果として、「誰もクビにならない」。

ここでよくある反論があって、「教師も忙しいから」とか「全部に対応するのは難しい」とか言う人がいるんですよね。

でも、それって今回のケースに当てはまるの? って話です。

4年間ですよ。しかも、暴力と恐喝。これを「忙しいから見逃しました」で済ませていいなら、警察もいらないし、法律もいらない。

さらに今回のケースは、もっと、ひどいことが起きている。