自民党総裁と内閣総理大臣を別人が務める「総総分離」が長期化している。首相指名選挙を行う臨時国会の召集日が10月下旬へと調整されているなか、2ちゃんねる創設者のひろゆきさんは「第104代首相に指名されるのは『高市早苗』氏でも、『玉木雄一郎』氏でもいい。もっと譲れない大事なことがある」という――。

自民党は「変わらない党」の世界トップクラス

結論から言いましょう。

自民党は変わりません。

誰が総裁になっても同じ。

派閥の論理で動くからです。

10月4日に投開票された自由民主党総裁選挙だって同じです。候補者がどれだけ勇ましいことを公言しても、総裁になった瞬間にスイッチが切り替わる。昨日までの公約? え、何か言いたいんですか? という顔を平然とする。誰が勝っても、結局、派閥が決めるからです。

公約は消え、期待は裏切られる。だから僕は言いました。

「予想通りで、何も変わってない自民党ですね」と。

選挙後のラジオで言ったのは、ただそれだけのこと。淡々と観察した上での感想を述べただけです。ですが、メディアは「痛烈な皮肉」と見出しをつける。いやいや、皮肉じゃなくて事実ですよ。

正直に言います。自民党は「変化しないこと」に関しては、世界トップクラスの安定性を誇ります。

何十年も政権を握っているのに、構造は昭和時代のまま。派閥があって、利害調整があって、国民よりも内部事情が最優先。選挙のときだけ「改革」とか「変革」とかカッコイイ言葉を並べる。

でも選挙が終われば、ハイ解散。いつもの「派閥ゲーム」に戻るわけです。

国民はそんな舞台の観客です。でも台本は最初から決まってる。“劇団・自民党”が毎回同じ脚本を演じてるだけなんです。

石破さんが証明してくれたこと

「同一労働・同一賃金を実現します」って言っていた方、いましたよね。

そう、石破茂さん。立派なスローガン。拍手喝采。でも、やらないまま退場。言っていたことはどこに消えたのでしょう。

でも、自民党では珍しい話じゃありません。むしろ日常茶飯事。

「政治家の言葉は賞味期限が短い」って、そのとおりです。牛乳より短い。納豆より早い。信じた人がバカを見る。言葉の重さはおそろしいほど変幻自在です。

今回の高市早苗さんも例外じゃありませんでした。

高市さん、靖国神社に参拝を続ける、と言っていました。強気に。何度も。でも総裁になったら、どうやら参拝しないらしい。あれだけ「やります」と言ってたのに? あれ? やらないんですか? 外交上の配慮? 派閥への忖度? 理由はいくらでも出せます。

でも、有権者からしたら「言ってたことと違うじゃないか」となる。

そして「やっぱり政治家は信用できない」につながっていく。

高市総裁と玉木代表 首相指名、駆け引き激化
写真=共同通信社
東京・永田町の自民党本部で記者団の取材に応じる自民党の高市総裁(右)と、国会内で記者会見する国民民主党の玉木代表。首相指名選挙に向け、与野党の多数派工作が激化している=2025年10月14日