「お荷物」は売り急がなければいけない
依然として都心中古マンション価格は高い。当面は、多少の変動を伴いながら、都心中古マンションの価格は高値圏で推移する可能性が高い。ただ、その後、中古マンションの需給を反映して、少しずつ価格の調整圧力は高まるとみられる。
イラン戦争をきっかけに、エネルギーや基礎資材の不足は深刻化し、価格上昇も急速だ。世界的に、物価上昇と景気減速が同時進行するスタグフレーションへの懸念は高まっている。その中、米欧で利上げ再開を重視する中央銀行関係者は増えた。世界的に金利上昇圧力がかかり始め、株式相場の変動性は高まった。
それは、都心中古マンションなど、わが国の資産価格にマイナスだ。早ければ4月に日銀が追加の利上げを行うとの観測も多い。短期から超長期まで、国内金利に追加的な上昇圧力はかかるだろう。それに伴い、投資家のリスク回避姿勢は高まると予想される。
利益確定のため、中古マンションのようにリスクの高い、資産を売り急ぐ投資家は増えるだろう。商業用不動産分野では、シンガポール系の投資ファンドが、東京駅前のビル売却を検討しているようだ。マンション市場でも、そうした動きが増える可能性はある。
「37カ月ぶり下落」に喜ぶ人、泣く人
今後、中古マンションなど不動産価格の調整が鮮明になると、国内の不動産市況の変化は鮮明化するだろう。株式市場についても、3月の日経平均株価の変動性を見ると、相場過熱に警戒感を強める投資家は多い。
不動産市況全体に大きな変化が出るようだと、状況によっては金融市場にもマイナスの影響が波及することが想定される。ノンバンクなどの中には、積極的に投資ローンなど不動産分野への資金供給を増やしたところが多いようだ。
中古マンションの価格が下がることは、これから購入を考えている人にとっては、大きな福音になるのだが、既に保有している投資家や、そこにおカネを貸している金融機関にとっては、重大なマイナスになりかねない。経済は複雑な仕組みになっている。

