AI株と半導体株のおかげで「史上最高値」

日経平均株価が5月14日、一時6万3700円台の史上最高値を記録した。一方、市場全体の動きを反映しやすい東証株価指数は、2月につけた高値を抜けていない。

その背景には、AI関連の一部の値嵩株が買い上げられたことがある。日経平均は単純平均なため、どうしても値段の高い、いわゆる値嵩株が買われると日経平均株価は上昇しやすい。

多くの投資家の買いが、一部のAIや半導体などの銘柄に集中したため、こうした一種の歪みが発生したのである。そうした動きはわが国に限らず、米国などでも顕著にみられる傾向だ。大手投資家は、積極的に主要半導体メーカー、製造装置、関連部材などの株を買いに回った。個人など他の投資家は、AI関連の銘柄を追いかけて買った。

株価指数を見るビジネスマン
写真=iStock.com/chachamal
※写真はイメージです

もしAI企業が期待に応えられなかったら…

恐らく、これから世界経済の中心の命題は、間違いなくAIになるだろう。そうした銘柄が注目されるのは当然のことなのだが、一方で、AI一極集中には危うさもある。AIへの期待が先行している分、その期待が裏切られた場合の失望は大きいだろう。また、実際問題として、AI企業がクリアしなければならない、資金調達やデータセンター建設などのハードルは残っている。

何かのきっかけで、AI関連分野の成長期待が萎むことも考えられる。中東情勢の緊迫化、それによる物流の目詰まりなどで、半導体供給が不安定化するリスクもある。それに加え、イラン戦争の影響などで物価上昇の懸念があるかもしれない。

米国などで金利が上昇すると、データセンター向けの融資の焦げ付きや、IT先端企業の業績、財務内容の悪化要因にもなりうる。株価が勢い良く上昇しているときこそ、先行きは慎重に考えたほうがよいかもしれない。