自動車関連株のほうが実態に近い

足元の状況を考えると、当面、株価の堅調な展開は続くだろう。ただ、今後の株価動向には、慎重なリスクの分析が必要になるだろう。

今後、イラン戦争の影響などで、先行きの経済成長率は鈍化すると懸念される。それは、企業の業績にマイナスだ。年初来、世界的に小売りや自動車関連の銘柄が売られた。AI関連銘柄と好対照だ。在来分野の株価の推移のほうが、世界経済の実態を冷静に反映しているように見える。

自動車、住宅などの業績懸念を高めた要因として、資材の不足に加え、金利上昇リスクの高まりも大きい。特に、米国の金融政策が引き締め気味に変わるかもしれない。4月の連邦公開市場委員会(FOMC)では、3名の参加者が現状維持は賛成としつつも、緩和的な金融政策を継続するスタンスに反対した。

2021年秋から2022年春にも、米国の金融政策は重要な転換点を迎えた。コロナショック対策としての財政支出の増加により、世界全体で需要は上振れた。さらに、2022年春のウクライナ戦争で、インフレは加速し、米FRBは急速に利上げを実行した。金利上昇によって当時、世界のデジタル化は鈍化し、半導体の需給バランスは急速に緩んだ。

電気自動車
写真=iStock.com/vadishzainer
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「AIは成長し続ける」は本当か?

イラン戦争で、世界的に景気減速と物価上昇が進む恐れもある。FRBやECBなどが金融引き締めを志向すると、世界的に金利上昇は鮮明になるだろう。

それは、消費者、企業、政府の借り入れコストの上昇、財務・財政の悪化要因になる。景気が後退すると、個人や企業のAI利用需要は減少し、AIチップ供給は過剰になることも考えられる。

足元の株式市場参加者は、「AI関連分野の成長は加速する」と都合のよい前提に集中しているようだ。株式アナリストの業績予想も、株価上昇をある意味で正当化するかのように、かなり楽観的な内容に傾いている可能性は高い。

確かに、目先、わが国のAI関連銘柄など、強気な相場展開が続く可能性はある。しかし、いつまでも相場が上昇し続けることは考えづらい。株価がしっかり上昇しているときこそ、株式市場の先行きは冷静に考えたほうがよいだろう。

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