海外投資家が都心の物件を買い漁るワケ
ここにきて、一部の地区では、中古マンションの価格の頭打ち感が鮮明化しているようだ。通常、春先は進学、就職、転勤で住まいを移す人が増えるため、マンション価格は上昇するケースが多かった。ところが最近では、価格に下押し圧力が出ている物件もある。
ここ数年、国内の景気はそれなりにしっかりと推移した。企業収益は増え名目賃金も上昇した。物価も上昇した。2024年3月に日銀はマイナス金利を解除したが、追加利上げのペースはかなり緩やかだ。低金利環境は続いた。
物価上昇を上回る利回り確保に、不動産に資金を振り向ける投資家は増えた。それに伴い、中古マンションへの投資需要は急増した。国内の投資家に加え、中国など海外の投資家も豊洲や勝どきなど、“ウォーターフロント”の物件に資金を投じたようだ。
買うから上がる、上がるから買うという具合に、都心中古マンションの価格上昇は勢いづいた。神奈川、千葉、埼玉県のマンション価格にも上昇圧力は波及した。
「大幅値下げ」を迫られる売り手たち
ただ、いつまでも価格が右肩上がりで推移することはない。昨年の初めごろから、東京23区以外の首都圏では、売り手と購入者の希望価格の乖離が目立ち始めた。都内の高級物件では売り手がかなり強気に価格を設定し、後々、大幅な引き下げを余儀なくされるケースも出始めた。
東京都心6区の中古マンションの価格に、頭打ちの傾向が出始めた。千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷区における、70平方メートル当たりの価格は前月から0.2%下落した。37カ月ぶりの価格下落だった。
価格下落の一因は、一般世帯の手の届きづらい水準に価格が急騰したことだ。売りに出したが、思った価格水準、期間で売却できない物件は増えた。6区の在庫数は昨年12月が4211戸、1月は4260戸、2月が4472戸と積み上がった。その結果、昨年前半35%程度だった値下げ割合は、45%程度に上昇しているようだ。

