学歴は本当に必要なのか。高校で学年320人中316位、偏差値45の大学夜間学部に進学した田中麻衣子さん(46)は、大手メーカーで雑用係に甘んじた時期を経て、年収1000万円超を稼ぐ人事コンサルタントになった。学歴より大切なものは何か。9浪して早稲田大学に入った教育系ライターの濱井正吾さんが聞いた――。

「学歴さえあれば社会で成功できる」は本当か

出身大学の偏差値にかかわらず、社会で活躍している人たちにはどんな特徴があるのか。

筆者は9浪して早稲田大学に入学した経験を持つ教育ジャーナリストです。

高校時代のいじめをきっかけに「学歴さえあれば社会で成功できる」と信じ、9年間受験勉強に打ち込み、目標であった早稲田大学に合格しました。しかし、いざ早稲田大学を卒業してみると、学歴があることと社会で成功することは全く別の話だと痛感させられました。

一方で、偏差値50未満の大学から社会に出て、年収1000万円以上を稼ぎ、充実したキャリアを築いている人たちがいます。「学歴がないと成功できないのか」「学歴があっても成功できるとは限らないのか」――この問いに向き合うため、本連載では学歴に頼らず社会で結果を出してきた方々にお話を伺っていきます。

本稿では、偏差値50未満の大学に入学し、その後、金融やIT業界で活躍し年収1000万以上を稼いできた、人事コンサルタントの田中麻衣子さんにお話を伺います。

320人中316位→大学は夜間主コース

田中さんは、1980年に岐阜県西濃地区で生まれ育ちました。ご両親は共に公立高校の教員で、父方の祖父母と同居する三世代家族という環境でした。

中学校時代は成績も悪くなく、「自分は結構勉強ができる」と思っていたため、学区でもっとも偏差値が高い高校に行けると思ったそうですが、結果的には地元で2番手の高校に通いました。2番手の高校に入ったことは田中さんにとって不本意だったようですが、勉強では良い結果を出せず、「320人中の316位を取った記憶がある」と当時を振り返ります。

プレジデント社で取材に応じる、人事コンサルタントの田中麻衣子さん
撮影=プレジデントオンライン編集部
プレジデント社で取材に応じる、人事コンサルタントの田中麻衣子さん

地元には住み続けたくはなかったけど、東京は偏差値も生活費も高いので無理だと思っていた田中さん。3年生の10月から本格的に勉強したものの、センター試験の結果は芳しくなく、選べたのが富山大学か和歌山大学の夜間主コース(*1)だったそう。

(注)
(*1)夜間主コース:国立大学等で経済学部を中心として、当時昼間主、夜間主というコースが設定されていた。夜間主は主に社会人向けとして設計され、午後6時半ころから講義が始まっていた。