「高度なAI」と「普及するデバイス」の2つが勝者の条件

「アフタースマホ」の勝者は、単に優れたデバイスをつくった企業ではありません。何度も繰り返すように、デバイスはあくまで24時間寄り添ってくれるAIにアクセスするための「窓口(インターフェース)」にすぎないからです。

2034書影
中島聡『2034  未来予測 AI(きみ)のいる明日』(徳間書店)

真の勝者は、「そのデバイスを外したとき、自分の一部を失った」とさえ感じさせるほど、あなたの記憶と人生を深く預かっている企業です。

しかし、ここで1つの逆説が生じます。どれほど優れたAIを持っていても、その窓口となるハードウェアが広く普及しなければ、私たちの記憶を預かることはできないという点です。AIが「あなたの一部」になるためには、まずデバイスが「あなたの身体の一部」として日常に溶け込み、膨大なライフログを学習し続ける必要があります。

ですから、次世代の覇権を握るのは、「高度なAI」と「普及するデバイス」の両輪を完璧に回しきった企業になるでしょう。

Googleか、Metaか、Appleか、それとも……

それは、Androidモデルの再現を狙ってSamsungなどのメーカーと手を組むGoogleかもしれません。あるいは、Ray-Banのような既存のファッションブランドとコラボし、スマートグラスを「ガジェット」から「文化」へと押し上げようとするMetaかもしれません。

はたまた、ジョナサン・アイブ氏という伝説のデザイナーとタッグを組み、まったく新しい形態のハードウェアを世に問おうとするOpenAIかもしれません。Appleも驚くような製品を打ち出してくるかもしれない。

「AIという知能」と「ウェアラブルという体験」。この両立を最も深く理解し、私たちの日常に最も自然に、そして最も深く潜り込めた企業こそが次の時代の主役となるはずです。

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