話が長いだけでチームが悪循環に陥る
時間を確保しなければならないと考えると、「今日は忙しいから明日でいいか」という感情が働き、マネジャーへの報告が遅くなってしまいます。
そして、部下の報告が遅いと、マネジャー側も「なんでもっと早く報告しないんだ」と思うようになり、マネジャーと部下の関係性が悪化していきます。結果として、チームの風通しは悪くなります。
話を聞く部下の集中力の面からも問題があります。話の長いマネジャーに話しかけられた部下には、「つかまった」という意識が働きます。こうなると、部下は「集中してマネジャーの話を聞こう」とはなかなか思えません。部下に伝えようとマネジャーが一生懸命話しても、部下の頭にはなかなか入らないのです。
「マネジャーの話は長くても3分で終わる」との意識が部下にあれば、マネジャーが「今ちょっといい?」と声をかけても「いいですよ」となりますが、「10分は取られるな」という意識があると、「すみません、今はちょっと……」となってしまい、コミュニケーションをとる機会も減ってしまいます。
部下によってコミュニケーションにバラつきが出るという問題も生じます。営業のチームであれば、一人の部下と長く話している間に他の部下が外出してしまうと、対話の機会も減ってしまいます。すべての部下と均等に対話することは困難ですが、1on1ミーティングを定例化することで、部下によるコミュニケーションの偏りは、一定程度解消することができます。
1回の対話で3分の1しか伝わらない
有名な「エビングハウスの忘却曲線」によると、人の記憶は20分後には42%が脳から消え、1日後には74%忘れてしまう、と言われています。
マネジャーは、一度伝えれば部下は理解してくれると思いがちですが、そんなに甘くはありません。みなさんも「何度同じことを言わせるんだ!」と言いたくなることがよくあると思いますが、それは当たり前の話なのです。
「自分が部下に伝えたいことは、1回の対話で3分の1しか伝わらない」と私はいつも自分に言い聞かせています。だからみなさんも、3回同じことを繰り返して言えば、自分の伝えたいことはだいたい部下の頭に入っていく、と考えてください。そうすれば「何度同じことを言わせるんだ」という苛立ちも、少しは収まるのではないでしょうか。
「人が集中して話を聞けるのはせいぜい1分程度」とも言われます。人の話を聞いている途中で、気が付いたら他のことを考えていた、という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
だからマネジャーは、部下の集中力が保たれている間に伝える、できれば1分以内に伝えるという意識を持つようにしましょう。
1分を意識すれば、長くても3分以内に収まるようになります。3つ4つ伝えたいことがあったとしても、一度に伝えることはせず“ブツ切り”にしてください。
そうすれば、コミュニケーションをとる回数も自ずと増えます。「長さ」ではなく「回数」を重視したコミュニケーションを、是非意識していただきたいと思います。

