反すうは「デフォルト時」に起こる
さらに脳には、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)というネットワークがあります。
これは、ぼんやりしているときや何もしていないときに活発になるネットワークです。
過去の記憶を思い返したり、未来のことを考えたり、自分の気持ちを振り返るときにはたらきます。
デフォルト・モード・ネットワークが過剰にはたらいたときに、反すうが生じるといわれています(※2)。
反すうが生じると、ネガティブな記憶や、それに関する感覚・感情ばかりが引っ張り出されてきます。つまり、デフォルト・モードに入っているときは、ふだんの自分とはまったく違う記憶のシステムネットワークがはたらいていて、“まるで別人のように”なっているのです。
脳内の記憶ネットワークに「番地」のようなものがあるとしたら、ふだんの家でリラックスしている自分は「1番地」にあるけど、反すうモードのときは「2番地」、仕事モードのときは「3番地」、趣味で楽しんでいるときは「4番地」というような感じです。
反すうモードに入っているとき、ほかの「番地」にあるポジティブな記憶にアクセスすることはできません。
だから、反すうモードのままでいると、自分が最悪な存在で、何もできなくて、何も達成しておらず、いい思い出もまったくないように感じられ、絶望感や無力感が永遠に続くかのように感じられるのです。
しかし、それはあくまで「モード」であり、「波のようなもの」です。
ある程度の時間が経過したら、基本的には収まってきます。
何らかの気晴らしや、イメージワークやボディワークを行うなど、反すうモードを変えるための試みがうまくいけば、抜け出すことは十分にできます。
反すうはナメてはいけない「強敵」
反すうモードにあるとき、事態を好転させるような現実的な思考はできません。
では、どうしたらいいのでしょうか。
まずは、
反すうはまったく役に立たないものである
という認識を強く持つことが必要です。
反すうから抜け出せない理由として、「あれこれ考え続けることがよいことである」「なんとなく、ずっとそのことについて真摯に考え続けているような気になる」という誤った認知があります。前述の認知的不協和のメカニズムによるものです。
※2 Hamilton, J. P., Farmer, M., Fogelman, P., & Gotlib, I. H. (2015).Depressive rumination, the default-mode network, and the dark matter of clinical neuroscience. Biological Psychiatry, 78(4), 224-230.

