※本稿は、鈴木裕介『頭の中のひとりごとを消す方法』(池田書店)の一部を再編集したものです。
脳にはイメージ操作が効果的
反すうのメカニズムについて、脳神経科学の面からも見ていきましょう。
脳は実際に起こっている出来事と、その出来事を脳内でイメージすることをかなり同じように処理する傾向があると、脳神経科学の研究によって明らかにされています。
たとえば、何かしらの絵や文字を実際に見せているときと、それと同じものを脳内でイメージしているときに活動する脳の領域は、かなり共通していたのです。
fMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いた研究では、実際にものを見たときと、それを頭の中で思い浮かべたときとで、どちらも同じ後頭葉の視覚野が活動していることがわかりました(※1)。
こうした脳の持つ特性が、反すうと深く関係すると考えられています。
たとえば、過去に大勢の前で恥ずかしい思いをした経験がある人が、その場面を何度も思い出しているとします。
脳はそのイメージを現実の出来事と区別せず、まるで実際にそのときとまったく同じ場面にいるかのように感じます。
すると、実際には安全な状況にいるにもかかわらず、心拍数が上がったり、胸がざわざわしたり、あるいはぐったりするなどの身体的なストレス反応が生じてしまうのです。
脳にとってネガティブな記憶を繰り返し思い出すことは、その出来事を今、実際に体験しているのとほとんど同じ状態であることを意味し、まるで現在進行形のストレスのように影響を及ぼしているのです。
※1 Ganis G, Thompson WL, Kosslyn SM. Brain areas underlying visual mental imagery and visual perception: an fMRI study. Brain Res Cogn bi-rain Res. 2004 Jul;20(2):226-41. doi:10.1016/ j .cogbrainres.2004.02.012. PMID: 15183394.

