すべての感覚は注目するほど増幅する

反すうにつながる生理的な背景についても見ていきましょう。

まず、思考や感情と身体の感覚は密接に結びついています。

たとえば、人間の心拍数は、1分間に60〜100回くらいです。

心拍数が60/分の人と心拍数120/分の人であれば、明らかに後者のほうが不安になりやすかったり、イライラしやすかったりします。

痛みも同様です。頭痛や腰痛があると、メンタル状態が影響を受けやすく、メンタル面のストレスを感じていればいるほど、身体の痛みを強く訴える傾向にあります。

くわえて、「すべての感覚は、注目すればするほど増幅する」という原則があります。

痛みに注目すればもっと痛くなるし、不安に注目すればするほど、ますます不安になる、ということです。

とすれば、自分の注意を向ける方向をある程度コントロールする練習が必要になってくるわけです。

ぼんやりしているときほど、反すうしやすい

反すうが生じる背景には、脳のしくみも関係しています。

慢性的なストレス状態になると、危機感知センサーである脳の扁桃体が過剰に活動し、人間らしい合理性を司る前頭前野の機能が低下します(図表1)。

【図表1】
イラストレーション=さくら

すると、「やばいぞ!」「大丈夫か!?」というネガティブな感情が増幅され、「どうすればよくなりそうか」という考えを整理しにくくなるのです。

・動物的な危機感知センサー〈扁桃体〉
・人間的で合理的な司令官〈前頭前野〉

この拮抗関係は、反すう対策のカギの1つですので押さえておいてください。