腸内細菌の情報が脳に伝わる
細胞膜を構成するミクロの粒(小胞)があり、そこからさまざまな物質が分泌されるのですが、これらを総称して「細胞外小胞(=EV:Extracellular Vesicles)」といいます。EVには、RNA(DNAの情報を元にタンパク質を合成)やマイクロベシクル、エクソソームといった顆粒状の物質が含まれており、腸内細菌はこのEVを通じて、情報交換をしているということが明らかになっています。
また、EVは腸の粘膜組織である腸上皮細胞から血流にのって脳にまで達することがわかっており、腸内細菌由来の情報が脳に伝えられると考えられています。
つまり、腸と脳が情報を双方向で伝え合う「脳腸相関」には、迷走神経でのやり取り、血流にのって伝えられる短鎖脂肪酸、そして、EVによる脳への情報(RNAや成長因子)という3つの情報伝達手段が使われているのです。
まだ、研究段階ですが、アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβを貪食するミクログリアに善玉菌由来のエクソソームを与えると、貪食機能を助ける可能性があります。もしかしたら、認知症の治療にも腸内環境の改善が効果を発揮するかもしれません。


