「額面」と「手取り」には大きな差がある
年金から天引きされる税金・社会保険料には、「所得税」「住民税」「国民健康保険料(75歳未満)」「後期高齢者医療保険料(75歳以上)」「介護保険料」があります。
たとえば、東京都文京区在住・65歳独身の人で、年金額面が年間200万円の場合の手取りを計算してみましょう(図表1)。
所得控除は基礎控除と社会保険料控除のみとして試算すると、手取りは178万2040円になります。年金額面の10.9%が税金・社会保険料として差し引かれる計算です。なお、差し引かれる割合はもらえる年金額、適用される所得控除は、お住まいの自治体などによって異なります。
年金の手取りは減り続けている
年金収入200万円のシングル世帯を例に、本題の2000年以降の手取りの推移を見ていきましょう(図表2)。
2000年時点で、年金額面200万円の場合の手取りは195万円でした。2000年時点では「老年者控除」「定率減税」が適用されていたことが大きな理由です。これにより所得税はゼロ、住民税は均等割の4000円のみでした。
国民健康保険料は、2000年時点では所得割額の算定方式が「住民税方式」でした。現在は「旧ただし書き方式」ですが、住民税方式だと、基礎控除を除く他の所得控除の影響も受けるため、算定額は少なくなります。
2000年から介護保険料の徴収が開始されましたが、今よりもかなり低額でした。社会保険料を計算すると4万5000円です。
以上により、税金・社会保険料は約5万円となり、手取りは195万円です。
その後は手取りが減り続け、2025年時点では178万円になっています。年金収入200万円のシングル世帯の手取りは、25年間で17万円減っているということです。
図表2のグラフを見れば一目瞭然ですが、現役世代だけでなく、年金生活者も相当に負担をしているということがわかります。




