配信後にコラボのピークが来る
こうしたコラボのピークが“後パブ”というのが興味深い。本編の舞台裏や後日談を描いたEDテーマMV「ray 超かぐや姫!Version」を2月4日にリリース。YouTubeの再生回数は1000万近くにまで跳ね上がった。
この『Ray』はBUMP OF CHICKENの楽曲で、2014年の東京ドーム公演で初音ミクがゲスト出演して歌った伝説的な曲である。こうしたボカロ文化とのコンテクストの重ね合わせを、これでもかというほどに展開した結果、1カ月以上たってもNetflix作品としては異例なほど日本で上位ランクインを続けている。
『超かぐや姫!』はキャラクター性が強く、グッズ化しやすい世界観を持つ。すでにコミカライズやノベライズ、グッズなどの商品化も積極展開中で、今年の春~夏にかけてまだまだ多くの商品が棚に並んでくることが予想される。
二次創作は続々と生まれており、「歌ってみた」「踊ってみた」のアップ動画は引きも切らない。2026年夏のコミケごろにはそれなりの指標が顕在化してくるのではないだろうか。
映像だけは広がっても、その継続性や商品化に課題があったNetflixにおいては、まるで通常のテレビアニメ製作委員会のような息の長い展開へとつながっている。
元フジテレビ社員の活躍
なぜこんなことが可能だったのか。アニメ制作を担当したツインエンジンが、商品化や宣伝も担当したからだ。
その展開には、元フジテレビ社員で同局に深夜アニメ枠「ノイタミナ」を設立し、その後にツインエンジンを立ち上げた山本幸治氏の力量が光る。近年では怪作『しかのこのこのここしたんたん』も有名だ。
『超かぐや姫!』は配信こそNetflixだが、宣伝はツインエンジンも担い、商品化も手掛けている。得意領域を分けたことが、類を見ないプロモーションに繋がった。
作品の中身から外側のプロモーション、そして作品をとりまく企業の役割の座組まで、すべてが新しく、「配信から始まるIP展開」としていろいろ可能性をみせている本作だが、その極めつけはネットでうまれたこの情熱の渦が、大挙して劇場に“逆流”している点だろう。
