映画は配信後なのに異例の大ヒット
Netflixアニメとしては例外的な「映画館展開」が配信の1カ月後となる2月20日から19館で始まった。
4日間の興行収入は、14.8万人の2.9億円。どの館も完売続出でチケットがとれないと話題になり、1週間限定だったのが、2月27日には27館に拡大。結局2週目、3週目と継続しながら4週目となる3月13日からは100館まで“超拡大”しており、勢いはとどまるところを知らない。
配信では、執筆時点(3月10日)で約500万人が1000万時間ほど視聴したと想定される。その1カ月後に始まった映画館への“逆流”で50万人による10億円もの興行収入が積みあがりつつある。おそらく観客は、すでに配信視聴で完了した人々が大半ということを考えると異例と言える。
今後、その記録がどこまで伸びるかは不明だが、アニメ作品を消費するという行為に「映像の個人視聴(配信)」→「映像の集団体験(映画館)」→「収集によるIP世界への没入(商品化ほか)」といった奥行きを“発明”したことは本作の歴史的な意義となる。
同じNetflix作品では米国で「配信前」に1300万ドル売上で1.4億時間視聴に到達した『Glass Onion: A Knives Out Mystery』のような事例はあるが、「配信後」でかつこれほど熱量を保ちながら2カ月以上その作品のまわりで“祭り”が起き続けているという事例はみたことがない。
「配信VS放送」「配信VS劇場」といった現在ハリウッドをとりまく喧騒から離れ、この日本という国で映像産業の未来の型が生まれつつあるのかもしれない。

