心がタフなら上方比較をしても落ち込まない

ただし、ここで問われるのが心のタフさだ。

上方比較によって、自分よりずっと有能な人を意識するとき、心がタフでないと、「自分はダメだ、能力がないんだ」

【新装版】薄っぺらいのに自信満々な人
榎本博明『【新装版】薄っぺらいのに自信満々な人』(日経プレミアシリーズ)

と落ち込み、モチベーションを低下させる。

それに対して、心がタフな場合は、落ち込むことなく、

「自分はまだまだだ。もっと頑張らないと」

とモチベーションを高める。

落ち込みやすい人は、落ち込みを避けるために、自分より有能な人との比較は無意識のうちに避けるようになる。そして、自分より能力や業績面で劣る人を意識することで、「自分の方がずっとマシだ」

と安心したがる。落ち込まないように、自己嫌悪に陥らないように、常に下方比較を用いる。

「できる風」を装う人たちが、自分の力不足を認めようとせず、むしろ周囲の人たちを見下すような態度を取るのも、無意識的な自己防衛のために下方比較をするクセを身につけているからに他ならない。

下方比較によって「自分の方がマシ」と安心していたら、何とかして現実自己を向上させなければといった危機感がなくなる。こうした心の動きによって力をつけないままになってしまう。

実力のある人の方が謙虚だと言われることの背景には、常に上方比較をする心の習慣が潜んでいるのである。

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