成長している人は上方比較をするクセがある

下方比較に自信を保つ効果があるとすれば、上方比較には向上心を刺激する効果がある。

ほんとうに仕事ができる人、あるいは「できる人」になるための成長軌道に乗っている人は、無意識のうちに上方比較をしているものだ。

うまくいかなくて自尊心が傷つきそうなとき、自分より劣った人物と比較することで気持ちの落ち込みを防ぎ、自尊心の維持をはかる。それが下方比較の効用と言えるが、これに頼っていると、成長路線からいつの間にか逸れていってしまう。ふだんから、

「自分の方がマシだ」

というような思いを感じることが多いという人は、下方比較のクセがないかどうか、セルフチェックをしてみるべきだろう。

成長していく人は上方比較をするクセがある。そのことを覚えておきたい。

「できる風」を装う人たちの浅はかさ

「できる風」を装う人たちは、じつは実力が乏しく、薄っぺらい知識しか持ちあわせていないのが周囲にはバレバレなのに、本人は自分が知識も豊富で有能だと思い込んでいる。それが勘違いだということに気づかずに、得意げに薄っぺらい知識をひけらかしたり、人脈づくりに励んだりする。そこがまた「痛い」とみなされる。

ほんとうに「できる人」をめざして成長路線を歩んでいる人は、理想自己を掲げ、それを基準に自己評価するため、たえず「自分はまだまだだ」といった思いを抱えている。

現実自己が力をつけたら、理想自己をさらに上に設定する。それによって、「自分はまだまだだ」という思いが持続する。それが向上心につながる。

腕を組むビジネスマン
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実力のある人は、自分を厳しい目で見る習慣がある。自分に厳しい人でないと成長できない。現実自己を厳しく査定し、理想自己と比べてまだまだと思うからこそ、現実自己を理想自己に少しでも近づけられるように頑張ろうと思う。そうした心の動きによって力をつけてきたわけだ。

前項でもみたように、他人との比較でも、上方比較を用いるクセがある。常に自分より力が上の人と比較し、「自分はまだまだだ」と思う。それがまた闘志や向上心につながっていく。