コンサル風の概念を持ち出す前に…
本来の目的を見失って、むやみにフレームワークを多用する人もいます。「3C分析はしたの?」「その発想はMECEになってないよ」など、思考のフレームワークを持ち出すケースもありますが、これも本当に意味があるのか考えなければいけません。(※3C分析とは、「顧客(customer)、ライバル(competitor)、自社(company)」の3つのCにスポットを当てる考え方です。また、MECEとは「漏れなく、ダブりなく」という意味で、両方とも有名なコンサルティング会社のマッキンゼーで考案された概念です。)
たしかにMECEにできれば、頭のなかは整理されるし、思考の質は高まるかもしれません。ですが、なんのためにそれをするのでしょうか? 漏れなく・ダブりなく考えなければいけないケースとはどの場面なのでしょうか?
混沌とした世界情勢やビジネス環境を分析する場合には、MECEで考えていくことが重要かもしれませんね。でも、ぼくらは分析屋でも評論家でもありません。
また、すべての状況を「漏れなく」考えたところで、それらすべてに手が回るわけでもありません。必要なのは「重要ポイントを、漏れなく」押さえることです。
大事なのは、MECEに考えることではなく、クライアントの目的を達成させることです。そこからブレてはいけません。
まずは「筋が悪い案」を出さないこと
同様に、「論理的思考力を身につけて、誰もが考えつかないような鋭い指摘をしよう」と考える必要もありません。もちろんそれができればベストですが、難易度が高すぎます。ひとまずは、「筋が悪い案」を出さない(相手の負荷を増やさない)ことができればOKと捉えたほうがいい。
ぼくは新人育成のサポートに入っている企業から相談を受けたことがあります。「自分から動けないメンバーが多かったのでロジックツリーで考えさせようとしましたが、全然うまくいかないんです」とおっしゃっていました。論理的に考えて行動できるようにと、メンバーにロジカルシンキングの研修を何度も受けさせていたようですが効果が見られなかったようです。
「研修プログラムのどこを見直したらいいでしょう?」と相談されましたが、問題はそこではありませんでした。研修の中身を見直す前に、そもそも新人メンバーがロジックツリーで状況を整理する必要が本当にあるのかを考えてみます。

