新人には「高度な提案」をする義務などない

新人メンバーはまだ業務に慣れていません。業界やビジネス全体像についての知識も浅いでしょう。つまり、見えている範囲がまだまだ狭いんです。仮に全体を整理して俯瞰して考える手法を身につけても、その段階ではほとんど何もできません。

では、新人メンバーに論理的思考力が不要かと言えば、そうではありません。見えている範囲内で「クライアントが掲げているゴールを意識して、タスクを奪うために何をすればいいか、妥当な策を考えて実行する」ができればいい。

ぼくらに必要なのは、ひとまず「クライアントの負荷を下げ、タスクを奪うこと」です。最初はクライアントがやりたいこと、やろうとしていることの中だけでいいんです。

たとえば、あなたが入社したての新人で、まだ右も左もわからないとしましょう。そして、あなたの上司が「ネット広告の反応を上げたい」と思っているとします。

ここであなたがすべきことは、その上司の負荷を減らすことです。自分で何か見えているわけではないのに「もう一度ゼロからすべての可能性を洗い出して考え直しましょう」などと提案する必要はありません。

上司が直近でやりたいのは「ネット広告の反応を上げること」です。販促手法をすべて洗い出して、「ネット広告の代わりにチラシを配ったり、新聞広告を出すこともあり得ますよね? ゼロベースで考え直しましょう」などと提示したら、むしろ上司の負荷を増やしてしまいます。

自分の意見を伝えるのがいけないのではありません。「なんでもかんでも言えばいいのではない」ということです。

高度なことを考えるのは、経験を積み、実力が上がってからで大丈夫です。まずはあなたにタスクを依頼してくるクライアントが何をしたいかを考え、クライアントがやりたいことを実現するために何をすればいいかを考えてください。

「桃鉄のボンビー」になっていないか

ゲームの「桃鉄」に“貧乏神(ボンビー)”というキャラがいます。いつまでもあとをついてきて、「社長のために」と言って、いろんなことをしてくれます。しかし、それらがいちいち余計なことなんです。勝手に社長の資産を売ってきたり、逆に勝手に何かを買ってきてしまったり。

もちろんあれはゲームの話ですし、わざとそういう設計がされています。でも、現実世界にも貧乏神のようなことをしてしまう人がいます。本人は「よかれ」と思ってやっていますが、それが的外れすぎて相手が迷惑してしまうのです。

でも、貧乏神は、なぜ貧乏神になってしまうのでしょうか?