※本稿は、ギデオン・デフォー『新版 世界滅亡国家史』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
地震もハリケーンも来る世界一危険な場所
人口 540人
言語 多数
通貨 豚
滅亡原因 国家の誕生が100年早かった
現在 バヌアツの一部
「自然災害」という観点から、バヌアツは国連によって世界で最も危険な場所と位置づけられている。つまり、トンガやグアテマラやバングラデシュよりも危険なのだ(1)。
この地域は昔から地震とハリケーンの集中砲火を浴びてきたため、先住民のニ・バヌアツは17世紀までに「災難への耐性」を身につけていた(2)。
これは彼らにとって幸運だった。おかげで、「ヨーロッパ人の来襲」という新種の災難にも耐えられたのだから。
(1)「人間はやわじゃない」とでも言うように、蔓と倒れそうな塔を使ってバンジージャンプを発明したのは、バヌアツの住人だった。
(2)世界銀行の『太平洋諸島に関するディスカッションペーパー』(1999年)より。
いまだに通貨は「豚」
バヌアツ群島はおよそ80の島で構成されている。ココナッツが豊富で、言語の数が113もある。1つの言語につき平均1万5000人の話者がいる計算だ。そして、現在でも最も重宝される通貨は「豚」である(3)。
バヌアツにはメラネシア人が定住していたが、17世紀になって、ポルトガル人が百日咳とインフルエンザという好ましくない手土産を持って現れた。
最初の訪問者は探検家のペドロ・フェルナンデス・デ・キロスで、彼は「探検家はあらゆることを取り違える」というすばらしい伝統にのっとって、噂に聞く南方の巨大大陸を発見したと思い込んだ。
次のヨーロッパ人である探検家のルイ・アントワーヌ・ド・ブーガンヴィルがこの地を訪れたのはその160年後のことで、彼は長居をせずに去っていった。
さらにその数年後、キャプテン・クックがこの地域を航行し、嬉々として「ニューヘブリディーズ諸島」と命名した。
(3)バヌアツで最も価値が高く、需要がある豚は、マロ島にいる「無毛の雌雄同体豚」だ。


