「見捨てられた地」で芽生えた民主主義
彼らは、独立した生活共同体(コミューン)を宣言して、国際法上の基盤を築こうとした。
国旗を作り、大統領を任命し、憲法を制定した。このちっぽけな孤立地域(エンクレーブ)は、最も早い時期に人種、性別、信条に関係ない普通選挙を実施した国の1つになった(白人が勝利する出来レースだったのだが)。
そしてイギリスとフランスは、地政学をテーマにしたラブコメに出てくるぱっとしないカップルのように、過去のいざこざを水に流して、共通の問題に対処しなければならなくなった。要するに、昔ながらの貪欲な反動主義者[強圧的に旧体制を維持しようとする者]である彼らは、帝国の崩壊につながる自治政府の存在を否定しようとしたのだ。
彼らは船を派遣し、フランスヴィルを解体した。
こうして問題は片づいたが、その問題の原因は未処理のまま放置され、悪化しつづけた。そして、100年後にふたたび表面化することになった。救世主(メシア)のような使命感を持ったブルドーザーの運転手と「ベメラナ共和国」という思いもよらない形となって……。



