感謝を伝えるとき大切なことは何か。『いい人はうまくいく』(すばる舎)を出したプロデューサーの長倉顕太さんは「感謝にも質がある。ただ『ありがとう』を連呼しても、解像度が低ければ相手に届かない」という――。

超一流が使っている「陰褒め」のチカラ

人を褒めることは、最高の贈与だ。

しかし、面と向かって褒めるのは少し照れくさいし、場合によっては「お世辞じゃないか」「何か魂胆があるんじゃないか」と疑われることもある。

そこで使えるのが、「ウィンザー効果」を利用した「陰褒かげぼめ」だ。ウィンザー効果とは、「第三者から伝え聞いた情報は、信憑性しんぴょうせいが増す」という心理効果のこと。

私があなたに直接「君は天才だね」と言うよりも、あなたの友人が「あの人が『あなたは天才だ』って言ってたよ」と伝えてくれたほうが、より強く信じるはず。

直接の言葉には利害関係が含まれてしまうが、第三者経由の言葉には「客観的な事実」というニュアンスが付加されるからだ。

褒めたい相手であるAさんがいる場合、Aさん本人ではなく、Aさんと仲の良いBさんや、Aさんの上司であるCさんの前で、Aさんを褒めちぎる。

「Aさんの企画書、本当に素晴らしかったですよ」
「Aさんのおかげで、プロジェクトが成功しました」

こうして放たれた賞賛の矢は、いずれ回り回ってAさんの耳に届く。しかも、噂話として増幅され、客観的な評価という箔がついて届く。

本人のいないところで悪口を言う人は最低だが、本人のいないところで褒める人は最高なのだ。直接褒めるのは一流、陰で褒めるのは超一流だ。

褒め言葉は、第三者に伝えてもらう

相手の心を震わせる質の高い感謝とは

さらに上級編として効果的なのは、解像度を上げること。

「ありがとう」と言うことは大切だが、ただロボットのように「ありがとう」を連呼していればいいわけではない。感謝にも「質」がある。

多くの人の感謝は、解像度が低すぎる。

「昨日はありがとうございました」
「いろいろとお世話になりました」

これでは、何に対して感謝しているのか伝わらない。「とりあえず言っておけばいいだろうと思っているな」と思われてしまうかもしれない。

相手の心を震わせる感謝とは、「超・具体的」な感謝。「ありがとう」の後に、必ず「理由」を添えるべきだ。

×「資料作成、ありがとう」
○「この前の資料、特に3ページのグラフの見せ方がわかりやすくて助かったよ。
忙しい中、あそこまで丁寧につくり込んでくれてありがとう」


×「昨日の食事会、ありがとうございました」
○「昨日はご馳走様でした。特に○○さんが話してくれた、あの失敗談には勇気をもらいました。お店のチョイスも最高で、久しぶりにリラックスできました」

後者のほうが、「あ、この人はちゃんと私の仕事を見てくれている」「私の話を聞いてくれている」と感じるはずだ。

握手するビジネスパーソン
写真=iStock.com/jariyawat thinsandee
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