朝鮮半島にはどのような歴史があるのか。作家のギデオン・デフォーさんは「7世紀に新羅の善徳女王は百済と高句麗を征服して史上初の朝鮮半島統一を成し遂げた。稀代の女帝を輩出した新羅には、異様な身分制度が存在した」という――。(第3回)

※本稿は、ギデオン・デフォー『新版 世界滅亡国家史』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

善徳女王と推定される石像
善徳女王と推定される石像(写真=Dalgial/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons

信憑性に欠ける「王国の起源」

【新羅黄金王国】〈紀元前57〜935年〉
人口 200万人(8世紀)
首都 慶州
言語 古代朝鮮語
通貨 オシュチョン
滅亡原因 階級への執着
現在 韓国と北朝鮮の一部

起源の物語は、完全に説得力があるわけではない。

ある晩、村人たちは不気味な光を目撃して調べに行く。彼らは巨大な赤い卵を見つける。卵からは「輝くばかりの容貌」の丸々と太った赤ん坊が生まれる。この輝く子どもは将来の君主に任命され、何世紀にもわたって続く血統の祖になった。こうして王国が誕生した。すると、近くに住む動物たちが、ディズニー映画のようなダンスを始めた。

歴史学者のなかで、国が卵から生まれたという話を支持する人はまずいないだろう。より可能性の高いストーリーは、新羅(文字どおりの意味は「徳の高い業績で四方を網羅する」)は2000年前の朝鮮半島を支配していた12の都市国家の1つから発展したというものだ。

身分を決めるのは能力ではなく「骨」

埋葬品が豊富な塚の存在は、この王国が徐々に交易ネットワークを広げていったことを伝えている(中東まで達していた)。新羅の人々は、巨大な金塊が大好きだった。だからこそ、「黄金王国」という派手なニックネームをつけられたのだ。

しかし、それ以上のことは漠然としている。わかっているのは、この王国の支配者のほぼ完全な一覧である。この一覧から、新羅は意外にも着実に発展していったことがうかがえる。

王国は「骨品制」という身分制度を基本に据えていた。

王家の血統と同じく、しかしもっと極端なことに、骨のランクは服の色、家の最大寸法、職業など人生のほとんどあらゆる部分を決定した。

最上位の「聖骨」は、父方と母方の両方が王家の家系であることを意味していた。その下に位置する「真骨」は、片方が王家の家系で、もう片方が貴族の家系だった。そして、真骨の下にはさまざまな階級が存在し、下に行くほど身分が低くなった。国王になることができるのは、聖骨だけだった。