失敗に備えられる人は優れた創造力の持ち主

いざというときに自分がそうなりたくなければ、非常時でもそれなりに動くことができるように備えるしかありません。これはとくに現場の動きをコントロールしている、責任ある立場の人にやってもらいたいことです。

しかしその場で対策を考えようにも、使える知識や知恵が引き出しの中になければなにも思い浮かびません。また、たとえ使える知識や知恵があっても、それらを使いこなせなければ意味がありません。よって、知識の獲得と、それらを使って自分なりの考えをつくり、実行する訓練が必要になるわけです。先ほどの答えはそのことを言っています。

人間の記憶力は年とともに落ちてくるので、知識や知恵の獲得はできれば記憶力の優れている若いうちに徹底的にやるのがお勧めです。同時に、それらを使って失敗を糧にしながら新たなものを生み出すことに挑戦していると、想定外のことが起こった状況でも動きやすくなります。

一定の年齢を過ぎてからは、年とともに身につく、他人をその気にする力や人をたぶらかす力を、失敗対策や創造的な活動に使うことを心がけるといいでしょう。世の中は理不尽にできているので、自分がよかれと思ったことがそのまま評価されるとはかぎりません。そんなときに役立つのが後者の力で、自ら考えてつくり出したものを実現するのが得意な人はたいていこの力も備えています。

黒板にチョークで、電球の絵を描いている手元
写真=iStock.com/themacx
※写真はイメージです

じつはどちらの力も、そのまま創造的な活動に必要なものです。つまり、失敗への備えがしっかりできる人は、プロジェクト・マネジャーなど創造的な活動で活躍ができる、優れた創造力の持ち主でもあることを、この機会にぜひ覚えておいてください。

いずれ行き詰まる組織で行われていること

年功序列が崩れつつあるとはいえ、日本の多くの組織では40代、50代の人たちがそれなりの権限を持って大事な決定に関与しています。そういう人たちがどんな状況になろうと自分で考えて実行できる域に達しているなら、組織の未来に希望が持てるでしょう。

現実は真逆で、それなりの権限を持っている人が下の人たちに型にはまることを強いて、創造の芽を摘むように動いていることが少なくありません。こういう組織はいずれ行き詰まるでしょうし、その人自身もまた、いずれは老害扱いされて居場所をなくしてしまうでしょう。