まず深夜に起きる回数が減りました。夜中に起きる頻度がそれまで3~4回だったところから、ほぼほぼ毎日2回に減りました。特に明け方の3~4時間はぐっすり眠れるようになりました。

もうひとつはたわいもない夢を見るようになりました。疲れているときは日常の出来事の延長で夢にも現実の困りごとなどが持ち込まれるものですが、そうではない日常とはかけはなれた「夢の世界」を過ごせるように夢の中身が変わったのです。

「夜中の覚醒頻度」に起きた変化

そこでこれと比較する形でリカバリーウェアを使ってみることにしました。ここから先の話もあくまで個人の感想です。

前提として睡眠導入剤とY1000は飲むのをやめました。マットレスはさすがにいいマットレスのままです。そうして数日、間をあけてからワークマンのメディヒールを着て寝るようにしてみたのです。

まず明らかに違いが出たのが夜中に起きる回数でした。午前2時頃、1回だけ起きたらあとは朝、目覚ましが鳴る時間まで寝ていられるようになったのです。夢もよく見ます。その観点で言えばぐっすり寝ているのは確かです。朝起きると全身がほかほかしているのはパッケージに書かれている効能通りです。

たださすがに60代ですから、昼間、疲れはどうしてもたまっていきます。疲労回復の効果は実感できなくても、睡眠の質の向上効果は個人的には体験できました。

2万円超パジャマの意外な客層

さて、ここからは個人の体験ではなく、ビジネスとしての現象に話を戻します。

リカバリーウェア市場が拡大しています。市場を開拓したTENTIALは今年度の売上目標280億円に対して、第1四半期が終わった段階での進捗率は25.2%と順調です。

一方のワークマンもここまでのところ品薄が続いています。仮に年間キャパの2100万着を売り上げることができれば単純計算でリカバリーウェアの売り上げは360億円に達する計算です。

ここでのポイントは販売が見込める枚数です。2000万着超ということは単純計算で上下で換算すれば1000万着のパジャマが売れるということです。これは国民的な需要を意味します。リカバリーウェアと名前がついていますが、購入するのはアスリートではなく一般の消費者に広がるということです。

さらに一般医療機器としての表記は「血行促進」「疲労回復」「筋肉の疲れの軽減」「筋肉のこりの緩和」しか書けず、これ以外の効能をうたうのは薬事法違反になってしまうのですが、買っている消費者は疲労回復目的ではない理由で購入を始めることが推測されます。

手がかりはTENTIALの商品のブランド名が「BAKUNE」だという点です。消費者は眠れることに気づいてきたのです。

BAKUNEのユーザー層はTENTIALのIR資料によれば過半数が中高所得層で30代から50代が購入者の4分3近くを占めます。男女半々ですがやや女性が多いのも特徴です。そしてアスリートが多い20代以下が占める割合は9%弱に過ぎません。

つまりBAKUNEの場合、メインの購入者はアスリートではありません。忙しいビジネスパーソンが自分への投資として高額なパジャマを購入しているのです。