AIにAIで対抗するコンサル大手

それでも業界は、AIの導入に活路を見いだしたい意向だ。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、マッキンゼーは人員を削減すると同時に、AIエージェント約1万2000件を展開した。コンサルタントの業務を幅広く補佐させるためだ。

よく使われているのは、論理展開の妥当性を検証する機能だという。コンサルが売りにしてきた「ロジック」を、今やAIがチェックする形となった。

「鋭く、簡潔」を良しとする同社流の文体に整える機能も、多くの社員が日々活用している。同社のボブ・スターンフェルスCEOは、いずれ従業員1人に1体のAIエージェントがつく時代が来るとのビジョンを描く。

アクセンチュアもAIを主軸に対策に動いている。CNBCによると、AI・データ専門職を2023年の4万人から昨年時点で7万7000人へほぼ倍増させ、全従業員55万人に生成AIの基礎訓練も施した。今年度の売上高は697億ドル(約10兆7000億円)で前年比7%増を記録。ジュリー・スウィートCEOは、AIを導入したい顧客が多く、その需要が成長を支えていると語る。

だが、こうした取り組みが業界全体の地盤沈下を食い止められるかは、まだ見通せない。

業界が岐路に立たされている

コンサルティング業界の黄金時代は終わりを告げようとしている。

もちろん、大型イベントが控える限り、需要が消えるわけではない。サウジアラビアでは2029年アジア冬季競技大会の人工スキー場計画が動いており、2034年サッカーワールドカップに向けたプロジェクトも控える。

だが業界関係者の多くは、減速は避けられないとみる。ある大手コンサルティング企業の幹部は、フィナンシャル・タイムズ紙に、「費用対効果の問題について、業界内では以前から見直しが必要だと予想されていた」と語る。

今後求められるのはコンサルの看板と頭数ではなく、業界で身体を動かして習得した専門知識であり、チームと共に現場で働ける人間となる。

マッキンゼーは舵を切り始めた。ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、同社はAI時代に減りつつある需要への対応として、今後は顧客企業向けに幹部候補の発掘・育成支援サービスを強化するという。同社内の人材育成で得た知見を顧客企業に展開し、付加価値の高い人材育成業務へと裾野を広げたい方針だ。

新人がパワーポイントスライドを作るだけで巨万の富を生み出せた華の時代は終わった。変化する現場のニーズといかに向き合うか、今後のコンサル像が問われている。

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