AIに仕事を奪われる

価格に見合う効果が、コンサルから得られないのではないか。そんな疑問が、進化するソフトウェア技術を背景にますます深まっている。

エコノミスト誌によれば、アクセンチュア経由で自社ソフトを顧客に届けてきたテクノロジー企業の一部が、仲介者であったアクセンチュアを飛ばして直接商品を販売する機会をうかがっているという。

ソフトにはAIが組み込まれており、これ自体が外部コンサルの必然性を打ち消すものだ。さらに、インストールすればすぐに使うことができ、起動すれば必要なシステムが自動で更新される。定期的にコンサル企業から人材を呼び寄せ、独特で難解な業務ソフトウェアの更新作業をしてもらう必要もなくなった。

データ分析プラットフォームを提供するパランティア(Palantir)などの新興企業は、自社のエンジニアを顧客企業に常駐させ、直接サポートする体制を整えている。こうしたスタイルの方が、「コンサルタント費用を節約できる」と、ある技術系企業の経営者は率直にそう語る。

プリントアウトされた資料の上で、タブレット端末でも図表を表示してプランを練っているグループ
写真=iStock.com/Jirapong Manustrong
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「パワーポイントを持ってくる人間を求めていない」

仲介役の座を奪われるだけでなく、ビジネスモデル自体の妥当性も問われているようだ。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、AIの導入でプロジェクトが少人数で回るようになり、大規模プロジェクトでの定型業務を担うジュニア層が真っ先に削られると分析。戦略的アドバイスを得るだけのためにコンサルを雇う顧客は減った、と報じている。

今後求められるのは、新システムの導入支援や、変革管理、新スキル習得のサポートなど、いずれも手を動かす仕事だという。コンサルティング会社オリバー・ワイマンのニック・スチューダー最高経営責任者(CEO)は同紙に、「経営コンサルタントの傲慢な時代は終わった」と認めた。

「企業はパワーポイントを引っ提げスーツ姿でやって来る人間を求めていないのです。彼らが求めているのは、現場に入り込んでチームの業務遂行を手伝い、チームと一緒になって物事を創造しようとする人材です」

変化の波は、業界大手にも容赦なく襲い来る。デロイト、EY、KPMG、PwCの4大コンサル、いわゆるビッグ4も例外ではない。

オーストラリアン・フィナンシャル・レビューによれば、コンサルティングサービスの需要は2025年までに2年連続で減少し、2026年も回復の兆しは見えない。KPMGが「レガシーサービス」と呼ぶ従来型コンサルから、顧客が離れ続けているという。

「基礎的なリサーチ業務は死んだ」と、あるコンサルタントは言い切る。資料を調べてまとめ上げれば重宝された時代は去り、今後生き残れるのは、特定分野で本物の専門知識を持つ人材だけとなりつつある。