もう一つの業界大手、アクセンチュアに目を向ければ、落差はさらに大きい。

エコノミスト誌によると、好調だった2015年初頭から2024年末までの10年間では、配当込みの株主の総リターンは約370%を記録。ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーをも凌駕した。2025年2月にアメリカの株式市場が史上最高値を記録した際、時価総額は2500億ドル(約38兆2000億円)に達し、両投資銀行を凌ぐ存在になっていた。

しかしその後の不調で、時価総額から約600億ドル(約9兆2000億円)が失われた。同誌は昨年7月時点で、6月20日の四半期業績が期待を下回ったことから、株価が7%下落したと報道。新規契約額も2四半期連続で減少している。

今年2月23日時点での時価総額は約1238億ドル(約19兆2000億円)となっており、報道時点からさらなる下降曲線を描いている。最盛期の半分を割った。

解雇された男性が乗り込むエレベーターに、見送りに来たメンバーたちが別れの挨拶をしている
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コンサルバブルの暗転

現場からは、コンサルの費用対効果に疑いの目が向けられている。

かつて、コンサルタントにとっての黄金郷と言われたのが、サウジアラビアだ。欧米市場が停滞するなか、サウジを含む湾岸諸国だけは別世界だった。

フィナンシャル・タイムズ紙によれば、湾岸のコンサル市場は2024年に70億ドル(約1兆1000億円)規模に達した。世界4大会計事務所の一つであるPwCの中東事業は2024年6月期、収益26%増。同期間の英国事業はわずか3%増にとどまったのと対照的だ。

とりわけ巨大な“財布”となったのが、サウジの新経済圏「Neom(ネオム)」だ。政府系ファンドPIFが主導するインフラ投資に、マッキンゼー、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)、ベイン・アンド・カンパニーが群がった。迅速な立ち上げを名目に、コンサル各社が大量の人員を送り込む「ボディショッピング」も常態化した。

23歳新卒が4.5億を稼ぐケースのあったが…

だが、湯水のごとくカネが注がれるなか、不満の声も上がっていた。フィナンシャル・タイムズ紙の取材に、プロジェクト関係者はこう漏らす。「(Neomは)ぼったくられていた。より広い視野においても、コンサルティング企業が(一般的に)ギガプロジェクトをいかに食い物にしているかという問題がある」

高額請求はサウジに限らない。シカゴ大学ブース・ビジネススクールの経済と国家に関する研究所「スティグラー・センター」が運営する学術系メディア、プロマーケットが2020年、驚きの数字を報じている。

記事によるとマッキンゼーは実務経験のない23歳の新卒を政府に派遣し、週5万6707ドル(約866万7000円)、年間約295万ドル(約4億5100万円)を請求していたという。BCGも新卒社員を派遣し、週3万3000ドル(約500万円)超を得ていたと報じられている。

なぜ実態の伴わない高額請求が可能だったのか。政府機関は予算を使い切ることで評価される。そこに経費節約の動機は乏しく、コンサル各社はその構造に乗じた――と同メディアは指摘する。