五感を心地よく刺激するシンプルなルーティン

そういうときは、難しく考えるのをやめ、まずはシンプルなルーティン(決まった行動)を開始してください。

おすすめは、鉛筆をカッターナイフなどで丁寧に削ってみることです。シャリシャリとリズミカルな作業は五感を心地よく刺激し、心を落ち着かせるセロトニンが脳から分泌されます。

そして、その削った鉛筆で、1枚の紙に今日の「やることリスト」を書き出してみましょう。次に、そのリストに優先順位をつけて、順に並べ替えたものをもう一度書き出すのです。

ノートにメモを書いている男性
写真=iStock.com/Fabio Principe
※写真はイメージです

この「書く」という具体的な行動により、あなたが億劫だと感じていた作業の全貌が可視化され、じつは後回しにしても問題ない仕事、あるいは意外と簡単に手がつけられる仕事に気づけるようになります。

まずは、優先順位が上位で、抵抗なく手をつけやすい仕事から始めてみましょう。メールやチャットの返信、不要なファイルの削除や整理は、その典型例です。

その作業を少しでもこなしている間に、脳の「アクセル」であるノルアドレナリンが活性化され、自然とやる気が湧いてきます。

こうして脳のエンジンがかかってから、本当に面倒だと感じていた仕事に取りかかればいいのです。

このように、まずはシンプルなルーティンワークと「やることリスト」の作成で脳を整え、「簡単で大事な作業」からスタートすることで、上手にやる気を引き出していきましょう。

金曜の達成感が、月曜の閉塞感につながる

「金曜日までに面倒な仕事を片づけると、清々しい気分で週末を迎えられる!」

そう思っていませんでしょうか?

しかし、脳内物質の観点から考えると、この行動こそが、休み明けの仕事がうまくいかない原因となりえます。

金曜の達成感が、月曜の閉塞感につながるのです。

仕事をやり終えると、脳ではドーパミンが分泌されます。目標を達成したときに幸福感や満足感を感じるのは、このドーパミンの働きによるものです。

また、空腹の状態で食事をしたときに「美味しい」「心地よい」と感じるのも、ドーパミンの作用です。そして、満腹になってドーパミンが十分に分泌されると、脳は「これ以上はもう食べられない」と抑制を促します。

このようにドーパミンには、欲求がある程度満たされると、その後はその行動に抑制をかける仕組み(ネガティブ・フィードバック)があるのです。

ネガティブ・フィードバックによって、脳は満足するとストップをかけます。つまり、金曜に仕事を完璧にやり遂げ、ドーパミンが十分に分泌されてしまうと、あなたの脳は働きにくくなってしまうのです。

そのため、月曜の朝は、どの仕事から手をつけていいか迷ってしまい、仕事がなかなか軌道に乗らなくなってしまいます。