部下の“横”からサポートする
部下の課題を指摘する上司になるのではなく、課題を「一緒に考える」共同作業者になる。
答えを与えるのではなく、部下自身が考えをまとめ、実行に移すためのサポートをする。心のなかで座り位置を切り替えることで、部下の主体的な発話を促し、セッションの満足度を上げることができると私は思います。
「対面のカウンター越し」から「並びのカウンター席」へ。
1on1では、この気持ちのスイッチの切り替えをぜひ心がけてみてください。
自分から役立つアドバイスはしない
さて、先ほど少しふれた、1on1で「何を話さないほうがいいか」というお話に戻りましょう。その問いに対する、私なりの回答は「アドバイスは話さない」です。
そもそも、アドバイスには罠があります。「された側」より「している側」のほうが圧倒的に気持ちよくなれること、それがアドバイスだからです。
「自分の経験談が役立つはずだ」と自信満々にアドバイスする人もいれば、「何かしら上司として実効性の高いことを言わなければ」という義務感から、無理矢理にひねり出してアドバイスしている人もいるでしょう。
中間管理職であれば、「自分はこんなことを部下に伝えた」という、上への報告を意識したアドバイスをしてしまっている人もいるかもしれません。
ただ、いずれのアドバイスであっても、私のスタンスとしては一貫して「相手から求められていないのであれば、アドバイスはするべきではない」です。
じつはこの考え、キャリアカウンセリングを学んだことが大きいと感じています。
キャリアコンサルタントの資格を取得するために通っていた学校時代のこと。カウンセラー役とクライエント役に分かれて行なうロールプレイ(模擬カウンセリング)で、最初の頃、講師から何度も次のような指摘をもらいました。
「あなたは、相手の話を聞きながら、無意識に『こうしたほうがいいのでは?』というアドバイスをしてしまっていますね」
これはキャリアカウンセリングを学ぶ人の多くが、最初にぶつかる壁です。
キャリアカウンセリングの世界において、カウンセラーに求められる3つの態度条件というものがあります。
それが、アメリカの心理学者カール・ロジャーズが提唱した、「受容」「共感(的理解)」「(自己)一致」です。

