周囲から声がかかるのはどんな人か

上司の退職後を検証していくと、いろいろなコミュニティから「声がかかった」ことが分かりました。声がかかって、大学や文章講座の講師を務めた。声がかかって、地域のイベントに参加した。

三嶋(原)浩子『“引退しない人生”をデザインする 無定年の設計図』(高橋書店)
三嶋(原)浩子『“引退しない人生”をデザインする 無定年の設計図』(高橋書店)

「声がかかる」のは、ざっくり言うと人柄が良いから、ということです。しかし、人柄の良さって、この方の場合、どんなことだろう。考えると、思い出すのは上司の「人の話を取ってはいけない」という話です。「人の話を取る」とは、例えば誰かが、「万博で○○を見て来た」と話し始めたら、「私は万博で△△を見た」と、主たる話を横取りする行為のことです。上司は決して人の話を取らず、最後まで聞く人でした。

しかし、そんな人柄の良さだけで、「声がかかる」人になるのでしょうか。偲ぶ会では、上司の形見分けとして、たくさんの本が並べられました。ご遺族から「どうぞお持ち帰りください」とご厚意を頂きました。ここで発見したのは、最後の最後までコピーライターとして学び続けていた上司の姿です。ずらりと並んだ本はどれも言葉を磨く、教え方、話し方を磨くテーマの書名でした。すべて頂いて帰りたいほど、学びにつながる本ばかりです。「声がかかる」人は、人柄が良いだけではなかった。向上心を絶やさず、目立たぬところで、自分をアッブデートさせる努力を怠っていなかった、ということです。

目指せばなれる「人気者シニア」

亡くなった上司のように、人気者になるにはどうしたら良いのか。それは持って生まれた性質からだろう、狙ってなれるものではない、とは思いません。60代からでは手遅れだろう、とも決めつけません。

無定年が目標なら、「人気者シニア」を目指そうではありませんか。「人気者シニア」になるためには、亡くなった上司が残してくれた「人気者シニアの法則」をトレースするのが合理的なので、箇条書きでまとめます。

①「聞く力」の装着……人の話を取らない、最後まで興味を持って聞く。
②「学び続ける」……長年のキャリアやテーマにおける新しい情報を仕入れ続ける。
③「いっちょかみ」……面白いことに参加してみる。好奇心の炎を消さない。

たった3つ、されど3つですが、意識するだけで進化は始まります。60歳から、無定年を目指して新しい波を起こすために。いろんな方面から「声がかかる人気者シニア」を目指してみませんか。

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