「自律」の先が「孤立」でいいのか

「自立」と「自律」の違い、ご理解いただけたでしょうか。どのプロセスも文字通り自分を「律しながら」の行動になっています。

さて、そんな「キャリア自律」を果たした森くんが、なぜ「欠席は失敗」と言われてしまうのか。それは同窓会の欠席で、IT整備に関係する自治体人脈を逃がしたからです。私の母校OB・OGは、公務員が多く、同窓会も地方自治体に勤める人が多く参加していました。今後の仕事につながるかもしれない、オイシイ人脈を森くんはみすみす逃がしたのです。

さらに、「キャリア自律」を果たした後、コミュニティからの「孤立」を選んだことは、「老後孤立」にもつながってしまいます。今を生きる森くんにとって同級生は「過去の人」かもしれない。しかし「孤立」は認知症にも関連します。50代のうちから何かのコミュニティに所属しておきましょう。森くん、次の同窓会はぜひ参加してくださいね。

人気者シニアだった元上司のこと

さて、上司だったシニア・コピーライターの話をします。残念なことに76歳で急逝されました。亡くなった日の朝も、Facebookに「今日は飲み会!」と、明るく投稿をされていただけに信じられません。偲ぶ会では、退職後の人生をどのように送ってこられたかが分かりました。

ひと言で言うと「人気者シニア」。家庭で地域で職場で、たくさんの人に愛されながら、充実した退職後を過ごしておられたことを知りました。例えば、“市民記者”として地域の情報記事を執筆、市の広報誌には次のようにプロフィールが紹介されています。「広告会社を経て大学で講師を務めた後、地域の広報やイベント活動にも参加。読書、映画、川柳、お笑いなどを楽しみながら、足で情報を集める〈団塊シルバー〉」。

現役時代のスキルが活かせる文章講座の講師も務めてられていて、亡くなるには早かったけれど、最後まで自分の殻に閉じこもることなく社会人として活動されていた、幸せな晩年だったと分かります。