喫煙や飲酒と同じくらい体に悪いもの
また医師の「喫煙、飲酒、薬物使用はありますか?」「インフルエンザの予防接種は受けましたか?」「性行為をしていますか?」といった問診も大切です。でも、これだけでは十分ではありません。
主治医のバイタルチェックの際に、「支えてくれる友人はいますか?」「パートナーとのセックスに満足していますか?」「上司から良い待遇を受けていますか?」といった質問を受けたことはありますか? おそらくないでしょう。でも研究によると、有害な人間関係や人生における充実したつながりの欠如でさえ、喫煙や肥満や飲酒と同じくらい悪影響を及ぼす可能性があるのです(※)。
※U.S. Department of Health and Human Services, “Our Epidemic of Loneliness and Isolation: The U.S. Surgeon General’s Advisory on the Healing Effects of Social Connection and Community,” 2023,
私は医師に、「仕事に何時間費やしているか」「デジタル画面を何時間見ているか」と尋ねられたことはありません。研究によると、テレビ、パソコン、スマホ、時計の画面を長時間見つめ続けると、睡眠不足や高血圧、視力低下、さらには骨密度の低下につながる可能性があるのです(※)。
※G. Lissak, “Adverse Physiological and Psychological Effects of Screen Time on Children and Adolescents: Literature Review and Case Study,” Environmental Research 164 (2018): 149–157,
多くの人が足りてない“栄養素”
医師に「最後にハグした人は誰ですか?」と聞かれたことがありますか? おそらくないと思います。ハグされると(エンドルフィンとオキシトシンのおかげで)幸せな気分になり、ストレスが軽減し、恐怖心が消えることは、言うまでもありません。実際にそうなのです(※)。
※Erica Cirino, “What Are the Benefits of Hugging?,” Healthline, last updated April 11, 2018
それだけでなく、研究からハグは免疫力を高め、心臓の健康を促進し、痛みを軽減する効果があることが分かっています。残念ながら、ほとんどの人は十分なハグができていません。ニューヨーク在住のマイテ・リスベスさんが、5年にわたって人との触れ合いが不足したことで死にそうだったと涙ながらに告白した動画がTikTokで話題になったのも、私にとっては意外ではありませんでした(※)。
※@mayte.lisbeth, “It’s been five years of touch starvation. I’ll probably have some more years of it. I’m not handling this well,” TikTok video, March 24, 2023
私たちは皆、ハグを必要としています。皮膚は人間の最も大きな器官であり、接触を奪われた人は心身の健康に影響を及ぼすことが研究で分かっています。
接触不足は、喘息や糖尿病、高血圧、うつ病、不安症にも関連しています。医師が診察の最初に測定する基本的なバイタルサインが役に立たないなどと言うつもりはありません。ただし、それらの数値から見えるものは不完全であるとは言っておきます。



