「自分の体が裏切ることを認めたくない」心理

お気に入りの歌手がいつものダンスをせずにステージでずっと座っていたり、CEOが従業員に話しかける際にやつれた顔でしゃがれ声だったりするのは、かくれうつの人が身体機能障害とうつ病への悪循環に陥っている証です。

私がワークライフバランスを実現する前は、働きすぎでひどい上気道感染症にしょっちゅう悩まされていました。喉頭炎でひどく体調を崩し、たとえ頑張りたい気持ちはあっても患者と会話したり講演会で話したりができませんでした。

かつて、偽発作が起きるのが過労のサインだという患者がいました。彼女は非てんかん性の発作を起こすことで、自分がキャパオーバーであり、休息のための時間を作る必要があることに気づいたのです。

かくれうつの人は、体がシャットダウンして初めて立ち止まります――うつ病の場合は、救急外来の受診や健康不安がストップをかけてくれます。脳が警告サインを出してずっと後になってからです。私たちにはペースを落とす時だと教えてくれるセラピストや処方薬や病院のベッドが必要なのですが、それでも耳を傾けないことがあります。

自分の体が裏切ることを認めたくないのです。恐ろしいことに、ある時点でのひどい「裏切り」が命を脅かすこともあります。悲観的な言い方で申し訳ありませんが、現実には、命を失うか体の一部の機能が損なわれるまで働き詰めたらゲームオーバーです。

ラップトップの前で頭を抱える男
写真=iStock.com/Fajar Kholikul Amri
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大切なのは成功ではなく“あなた自身”

そこで、思考を使って体を強く保つことをお勧めします。自分の健康について意識的に考えれば、仕事のために体を犠牲にすることはなくなります。なぜなら、体がなければ何もできないと分かっているからです。健康を最優先にしてほしいのは、あなたが仕事よりもはるかに大切な存在だからです。

あなたが生み出すものや、人々を支える活動以上の価値があります。健康を最優先することは、深刻な健康問題やうつ病のために早期に仕事を辞めるのを避けることにもつながるのです。地に足をつけ、自分の体と向き合うことができれば、短期的には健康を犠牲にするのを防ぎ、長期的には健康を向上させることができます。そのためには、バイタルサインをチェックする必要があります。

医師がバイタルサインを測る診察を受けたことがあるでしょう。体重計に乗せる。定規を頭のてっぺんに当てる。口を開けて体温計を差し込む。袖をまくり、血圧計に腕を載せる。医療専門家が肥満や心臓病その他の病気のリスクを評価する際に、これらの情報はすべて重要です。