タンパク質の機能を低下させる「糖化」も関係
血糖値スパイクの問題はまだあります。それが「糖化」です。
糖化とは、体内で余った糖がたんぱく質と結びつき、変性が起こることで、老化物質・AGEs(終末糖化産物)がつくり出される反応をいいます。
そして体内で余った糖があるということは、血糖値スパイクが起きた状態であることを意味します。
糖化の説明でよくたとえに出るのが、ホットケーキです。フライパンにホットケーキの生地を流してゆっくり加熱すると、生地はきつね色に変わります。これが糖化反応です。食欲をそそるパンやステーキの焼き色も同じです。
ホットケーキ生地には、卵や牛乳に含まれるたんぱく質と、小麦粉や砂糖に含まれる糖質が混ざっています。加熱されて変色し、きつね色になった部分が、糖化した物質AGEsです。これと同じことが体内でも起こっており、体のコゲとも呼ばれるゆえんです。
調理の世界ではメイラード反応とも呼ばれ、「おいしさの秘密」と謳われていますが、健康面から考えると、あまり歓迎すべきことではないのが本当のところです。
体内が糖化すると何が起こるのでしょうか。わかりやすいところでいえば、肌のたるみやシミ、シワなどが起こりやすくなります。肌の黄ばみも糖化が原因です。甘いもの好きの女性にとってはドキッとする話ではないでしょうか。
果糖はブドウ糖に比べて糖化のリスクが10倍以上
それだけではありません。骨に起これば骨質の低下や骨粗鬆症、血管に起これば動脈硬化、目なら白内障と、糖化は体の至るところで起こります。さらに脳に起これば認知症を引き起こす原因となります。
特に影響を受けやすいのが、コラーゲンを多く含む組織です。実はコラーゲンは全身のたんぱく質の3割を占めており、至るところに存在します。なかでも前述した皮膚をはじめ、腱や軟骨、血管壁、歯周組織がダメージを受けやすくなります。
年齢を重ねると、変形性膝関節症などをはじめ、関節まわりにトラブルを抱える人が増えていきますが、私は理由の1つには甘いものの食べすぎも深く関係していると推測しています。
また、最近では骨量は減っていないのに骨折をしてしまうケースが注目されています。骨といえばカルシウムを思い浮かべる人が多いでしょうが、実はその中身はコラーゲンでできているため、糖化すると骨のしなやかさが失われてしまいます。実際、骨折しやすい人にはAGEsの一種であるペントシジンが多いことがわかっています。
困ったことに、一度糖化してAGEsが増えた組織は、元に戻すことができません。これは私たちの体の機能が落ちることを意味しています。どんなに運動して体を鍛えても、どんなに栄養たっぷりのものを食べても、糖化があることで、いい習慣も効果を発揮できないのです。
ちなみに、果物や清涼飲料水に多い果糖は、ブドウ糖に比べて糖化のリスクが10倍以上も上がることがわかっています。とりすぎには注意が必要です。

