ガイドラインが金科玉条のように扱われる日本の医療

そのうえで、たとえ1.5-AGを測定しても、従来の基準範囲では初期の血糖値スパイクを見逃してしまう危険性があると話したのです。

講演後、1人の初老の紳士が近づいてきて話しかけてくれました。その方は、なんと1.5-AGの測定原理を実用化するために尽力された研究者だったのです。そしてその方も、通常の基準範囲では見落としがあることに同意してくれました。

自らが研究してきた検査項目を取り上げ、その重要性について講演したためか、嬉しそうに握手をしてくれたのが印象的でした。

今の日本の通常の医療では、ガイドラインが金科玉条のように扱われ、それに沿わないと認められることがありません。オーソモレキュラー栄養療法を頭から否定されてきた私は、その初老の紳士に強いシンパシーを感じました。

血糖値スパイクが起きているのに、健康診断などでは見逃され、さらなる不調や糖尿病などにつながる人を減らすために、1.5-AGの基準値を見直し、広く活用されることを願っています。

糖尿病患者の半数は不眠に悩んでいる

血糖値スパイクや夜間低血糖が起こることで睡眠に悪影響を与え、朝からダルさを感じる「朝ダル」につながります。

血糖値の調節がうまくいかない状態が糖尿病です。ということは、糖尿病の人は睡眠の質がよくないのではないかと推測されます。

睡眠の質が悪い女性
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実際、日本内科学会の調べによると、不眠症を抱える人の割合は、健常者が23.8%なのに対し、なんと糖尿病の患者さんは約47.4%と2倍になっています。

睡眠中にしばしば呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群についても、健常者が約10%なのに対し、糖尿病の患者さんは約30%と3倍となっています。

4人に1人は糖尿病になるといわれています。血糖値を意識して食事を見直していくことは、「朝ダル」はもちろん、将来の糖尿病のリスクを下げることにもつながるのです。