EPSはわずか2年で17倍に
具体的な数字を見てみましょう。エヌビディアのEPSは、ここ数年で驚異的な成長を遂げています。
決算期 EPS(1株当たり利益)
2023年1月期 0.17ドル
2024年1月期 1.19ドル
2025年1月期 2.94ドル
(出所)Kabutanより取得
2023年1月期 0.17ドル
2024年1月期 1.19ドル
2025年1月期 2.94ドル
(出所)Kabutanより取得
わずか2年で、EPSは0.17ドルから2.94ドルへと約17倍に膨らみました。単に株価が上がっているのではなく、「稼ぐ力」そのものが爆発的に成長しているのです。
帝国製菓の問題は、EPSが横ばいなのに株価だけが上がり、PERが90倍まで膨らんでいたことでした。一方、エヌビディアはEPSの急成長が株価上昇を「正当化」しているため、PERが47倍に収まっているのです。
ただし、安心するのは早計です。市場平均のPERは一般的に15〜20倍程度。47倍という数字には、依然として「高い期待」が込められています。
この数字が正当化されるには、今後もEPSが急成長を続けるという前提が必要です。もし成長が鈍化すれば、割安に見えた約47倍のPERは一転して「割高」となり、株価は大きく下落するでしょう。市場では「AI投資ブームはいつまで続くのか?」という懸念もささやかれています。
成長が止まれば状況は一変する
冒頭の疑問に戻りましょう。「エヌビディアの5兆ドルは、バブルなのか?」
答えは、「今のところ、実力(EPS)の急成長に支えられている」です。帝国製菓のように期待だけで膨らんだバブルとは、現時点では性質が異なります。しかし、成長が止まった瞬間、状況は一変します。
ビジネスパーソンとして重要なのは、「高いから危ない」「成長しているから安心」と決めつけないこと。
・「実力(EPS)」がどれほどのスピードで伸びているのか
・その成長に対して「期待(PER)」が過剰になりすぎていないか
この2つの視点を常に意識すること。これこそが、AI時代の荒波を乗りこなすための、本質的なファイナンス思考なのです。


