<腸を整えれば、人生も整う。今日からすぐにできる「3つの自然習慣」について:ルーシー・ノタラントニーオ>
腸の模型を持つ医師
写真=iStock.com/Elena Nechaeva
※写真はイメージです

腸は単に食べ物を消化する器官ではない。免疫やメンタル、エネルギー代謝、さらには全身の炎症の制御にも関わっている。

その腸の健康を守るために高額のサプリや厳しい食事制限を始める必要はない。日々のシンプルな習慣こそが腸内細菌叢(マイクロバイオーム)など腸内環境を安定させ、消化器系全体を健やかに保つ手段になる。

そのように語るのは、消化器専門医のレイベリス・パディーヤ医師だ。

アメリカ消化器病学会(AGA)によると、アメリカでは6000万~7000万人が何らかの消化器系疾患を抱えている。その多くが日常生活に大きな支障をきたしながらも、十分な治療を受けられていないのが現状だ。

腸の健康には「心・体・精神のすべてを意識した包括的な視点が欠かせない」と述べ、次の3つの習慣をパディーヤ医師はすすめる。

1.食物繊維をもっと摂る

現代人の多くが慢性的な食物繊維不足に陥っている。1日25グラムの食物繊維、または5種類以上の植物性食品の摂取を目安として挙げる。

豆類、野菜、果物、全粒穀物、ナッツや種子類などの食品は、腸内の善玉菌を増やし、病原体への抵抗力も高めることが先行研究でも示されている。

「こうした食物繊維を含む食品には、短鎖脂肪酸(SCFA)などを生成して腸の粘膜を保護する働きがあります。(……)さらに抗炎症作用をもつ微量栄養素も含まれています」(パディーヤ医師)

一方で、アメリカでは約5人に1人が、穀物が日々の食事に欠かせないことを正しく理解していない。

Grain Foods Foundation(穀物食品財団)」が2000人を対象に行った調査によると、炭水化物、たんぱく質、脂質、そして食物繊維のバランスが重要だと理解している人は69%にのぼる。

しかし、そのうち約3割にあたる29%が炭水化物を減らす、または完全にカットしていると回答するなど炭水化物を制限している。ただしその一方で、25%が「食物繊維の摂取を増やしたい」とも答えている。

パディーヤ医師は次のように述べる。「体調管理が難しいと感じる今だからこそ、食物繊維が中心のシンプルな習慣が腸の大きな支えになります」

2.ストレスをコントロールする

アメリカ心理学会(The American Psychological Association:APA)が実施した「アメリカのストレス調査」では、ストレスレベルは過去5年で上昇しており、約75%の人が身体的または精神的な症状を感じていると回答した。

ストレスは脳と腸の連携を乱し、炎症性腸疾患(IBD)や過敏性腸症候群(IBS)、胃潰瘍、アレルギー反応、逆流性食道炎(GERD)などの原因にもなるとして、パディーヤ医師は次のようにアドバイスする。

「ストレス対策として瞑想や呼吸法を取り入れることで、自律神経系の交感神経(闘争・逃走反応)と副交感神経(休息・消化)を整えることができます」

長期的な瞑想が腸内細菌のバランスに影響を与えることも、近年の研究で明らかになってきた。