DisneyですらNetflixの前では零細企業

Netflixオリジナル作品が登場した時、映画産業やテレビ産業は、まず無視した。つぎに嘲笑した。「あれは映画もどきだ」「あんなのテレビじゃない」と言い張った。しかし、Netflixが無数の視聴者を集め、世界中の話題をさらい、莫大なカネを集め始めるや否や、あっさりと態度を変えた。あっさりと自らの定義すら変えていった。

文化にとって「定義」とはなんだろうか。それは、何かの理念を示すものではない。物理的ファクトを示すものでもない。文化産業を守るための、文化産業の子羊たちを守るための「産業保護装置」のようなものだ。言い換えれば「定義」とは、外からの異物を拒むための盾である。そして、仮にその異物が勝者になった時には、その異物を迎え入れる扉にもなるのだ。

2018年、Netflixは、20世紀マスメディアの象徴だったWalt Disneyを時価総額で上回った。2025年、Netflixの時価総額は5000億ドルを超えた。Walt Disneyをダブルスコアの差で突き放した。Warner Bros. DiscoveryもNews CorpもComcastもParamountも、Netflixの前では、単なる零細企業となった。それは、20世紀型レガシー文化産業の終焉と、21世紀型アルゴリズム文化産業の幕開けを告げるものだった。