「和食はヘルシー」という幻想から抜け出す

当時は、白米を食べるのはぜいたくなことでしたが、そのおかずとして「ご飯がすすむ」塩分が強い漬物が主に食べられていて、魚などの脂質やタンパク質は一緒に食べられていませんでした。

脂質やタンパク質を一緒に食べずに白米を食べれば、急激に血糖値が上がります。その頃はまだ検査システムがなかっただけで、人々の体内では血糖値の急激な変動が起きていたことでしょう。

それに加え、塩分の摂りすぎによる高血圧もあったことでしょう。高血圧になれば、動脈硬化は進み、血管はボロボロになります。実際に、短命の村では脳卒中による死がとても多かったのです。

今は当時より、脂質やタンパク質を含むおかずの量が増えました。しかし、白米、味噌汁がセットになった和定食は、やはり糖質と塩分が多すぎます。なるべくおかずを中心に食べ、白米や味噌汁は少なめにするくらいで良いでしょう。

血糖値や血圧が高い状態は、糖尿病や高血圧だけでなく、慢性腎臓病など深刻な病気にもつながります。「和食はヘルシー」という幻想から抜け出しましょう。

食事とは別に2Lのミネラルウォーターを

意識的に水を飲んでいますか? 夏場はともかく、冬になると水分補給をつい忘れがちになり、「今日はペットボトル1本ぶんも飲んでいなかった」と気づく人もいるかもしれません。

熱中症対策としてのみならず、水をしっかり摂ることは健康維持に欠かせません。

水を飲む女性
写真=iStock.com/maruco
※写真はイメージです

水分が不足すれば、血液が濃くなり血栓が生じやすくなります。その結果、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まります。

就寝中にトイレに起きることを避けるために、寝る前に水分を摂らないのはとても危険な行動です。命を守るために、たとえ寝る前でもコップ1杯程度の水は飲みましょう。

そもそも、私たちは尿や汗として、1日に約2.5リットルもの水分を排出しています。あくまで平均値なので、汗を多くかく人はもっと水分を失っているはずです。

当然のことながら、失った水分は補給しなければなりません。

食事に含まれる水分とは別に2リットルほどのミネラルウォーターを飲むことを私はすすめています。ほかの飲み物ではなく、ミネラルウォーターが最適です。

砂糖の入っていない緑茶や紅茶、コーヒーを飲むこと自体は良いのですが、カフェインによる利尿作用があるので、体内に水分を保持する意味では向きません。もちろん、糖質の多い清涼飲料水はNGです。