「職場に迷惑をかける」と好機を逃す人たち
転職の際に、二の足を踏んでしまう理由として、「職場に迷惑をかけたくないから」と考える人もいるでしょう。
次の例は、過去に私の元に寄せられた転職相談のうちの一つです。
「40代の自分が転職できるかどうか、今まで自信が持てずにいました。
ただ、とりあえず腕試しだと思ってやってみたところ、なんと、同業界、同職種の外資系企業から年収1300万円の好待遇オファーを頂きました。現職の年収は850万円程度なので、大幅な収入アップになります。
業務内容も自分に合っていて、転職したいという気持ちはあるのですが、現在の職場は人手不足で、私でなければ回すのが難しい業務も多々あり、いま辞めるのはさすがに申し訳ないと思ってしまいます。
このまま転職すべきなのか、それとも、後任育成などの目途がある程度立ってから退職届を出すのが筋なのか、悩んでしまいます……」
A・Iさん(45歳・男性・日系自動車部品メーカー勤務)
ただ、とりあえず腕試しだと思ってやってみたところ、なんと、同業界、同職種の外資系企業から年収1300万円の好待遇オファーを頂きました。現職の年収は850万円程度なので、大幅な収入アップになります。
業務内容も自分に合っていて、転職したいという気持ちはあるのですが、現在の職場は人手不足で、私でなければ回すのが難しい業務も多々あり、いま辞めるのはさすがに申し訳ないと思ってしまいます。
このまま転職すべきなのか、それとも、後任育成などの目途がある程度立ってから退職届を出すのが筋なのか、悩んでしまいます……」
A・Iさん(45歳・男性・日系自動車部品メーカー勤務)
実際、こういう思考になって「やはり私は、今の職場に残るべきなのではないか」と転職の機会を見送ってしまう人は多いです。
それどころか、「会社に迷惑がかかると申し訳ないから」と、転職活動を始めることさえなく、早々にあきらめてしまう人もいます。
1年後にはすっかり忘れられている
あえてはっきり言ってしまうと、
「自分がいないと職場が回らない」は、ただの自意識過剰です。
実際には、あなたが会社を辞めても、確実に職場は回ります。
あなたが退職届を出したとき、本気で困るのは直属の上司や、同じチームのメンバー数名くらいです。その人たちでさえ、あなたの退職後3カ月もすれば、一切何の問題もなく平然と日々の業務をこなしていることでしょう。1年後には、あなたの名前は話題に上がることさえもありません。
「自分がいないと職場が回らない」と思っているのは、自分だけです。
もちろん、一時的な人員減少による多少の混乱や困りごとくらいは発生するでしょうが、「あなたがいないなら、いないなりに残りのメンバーで仕事を回す」だけのことです。

