転職がうまくいく人とそうでない人の違いは何か。転職ライターの安斎響市さんは「職務経歴書や面接で、採用する側の気持ちを考えられているかどうかだ。とくに面接では、自分視点の人か企業視点の人かではっきりと差が出る」という――。

※本稿は、安斎響市『定年までこのまま働き続けるのはちょっと…と思ったら読む 40代からの転職と副業』(育鵬社)の一部を再編集したものです。

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大原則「職務経歴書は2ページ以内」

40代ともなると、社会人経験は20年以上の長いものとなります。

職務経歴書を作成する際には、過去の経歴について列挙するだけでも相当なボリュームになりそうです。経験した部署の数は二つや三つ程度ではないでしょうし、これまで何度も転勤や担当変更などがあったことでしょう。

それらを一生懸命思い出して「キャリアの棚卸」をして、何とかアピールできそうな要素を探そうと努力していると、自然と書類のボリュームも増えていきます。経歴自体が長いのだから、文章量が増えるのも当然だとも言えます。

しかし、このとき注意しないといけない点として、「職務経歴書は2ページ以内」という大原則があります。

もちろん、職務経歴書を何枚書くかは個人の自由ですし、明確なルールはありません。ただし、採用する側の目線としては、応募書類は「長ければ長いほど低評価になる」傾向があります。

200ページの資料を読みたい人はいない

「いやいや、たくさんの情報を網羅した方が評価は上がるはずだろう」
「スカスカで中身が薄い書類よりも、たくさん書いた方が見栄えは良いだろう」

と思う人もいるかもしれませんが、それは完全に間違いです。

ちょっと考えてみてください。

例えば、あなたが、近所で通えるスポーツクラブを探しているとき、

「基本情報と月額プラン、施設や設備の要点がまとめられた1枚のチラシ」
「その施設の魅力だけでなく、創業以来の会社の歩みや、ブランドに込められた想いまで、あらゆる詳細を網羅した200ページ超の資料集2冊」

このうち、どちらを手に取りたいですか?

おそらく、200ページもの資料を読みたい人はほとんどいないはずです。

ただ、「そのスポーツクラブはどんな雰囲気で、月額いくらで通えるか」「清潔で使いやすそうな設備が揃っているか」などをチェックしたいだけなのに、そこに付随してあれこれと追加情報を次々に出されても困ります。

どちらかというと、「判断基準として十分な情報が1分で分かる資料」の方がありがたいのではないでしょうか?