面接は愚痴ではなくメリットを伝える場
いざ、40代で転職活動をすることになって、その進捗を見ていると、とんとん拍子に即内定を決めてくる人と、なかなか上手くいかなくて暗い顔をしている人の両方がいます。
その差はいったいどこから生じているのかというと、両者のもっとも大きな違いは「自分視点」か「相手視点」かだと私は感じます。
40代以降の転職活動が上手くいかない人の最大の特徴は、「面接で相手のメリットを語ることができていない」ことです。
「もう転勤を繰り返すのが嫌になってしまって、次の転勤の辞令も出そうでちょっと怖くて、早く転職先を決めたいんです」
「今の職場はちょっと合っていなくて、商材にも個人的に興味が持てないので、あまり長くは働けないと思ってしまいまして……」
「リモートワークで働きたいんです。現在、通勤時間が毎日往復2時間以上かかっていて、残業で帰りが遅くなったりすると、さすがに体力的に厳しくて」
こういう内容を面接で喋っているうちは、内定にたどり着くことはありません。
「転勤が嫌だ」
「商材に興味が持てない」
「リモートワークしたい」
これらはすべて、現職企業に対する愚痴でしかなく、「企業側があなたを採用する際のメリット」ではないからです。
「印象が良い」だけでは採用されない
多くの人が勘違いしていますが、面接とは、「聞かれた質問に答える場」ではありません。
聞かれたことにすべてスラスラと答えることができて、言葉を濁したり沈黙したりすることなく面接終了時間まで耐えられたとしても、それは「内定をもらえるかどうか」とはあまり直接的に関係がありません。
面接官は、別に、質問票の回答を集めたくて面接をしているわけではありません。
質問内容は単なるコミュニケーションのきっかけに過ぎず、一定の面接時間の中で、「あなたを採用すべき理由」を会話の端々から一生懸命探しているのです。
和やかに会話が進み、終始穏やかな雰囲気で面接を終えたとしても、会話の中から得られた「あなたを採用すべき理由」が十分に強いものだと認められなければ、内定が出ることはありません。
どんなに印象が良かったとしても、向こうは「印象が良い」「好感が持てる」というだけで40代の人材の採用を決定するわけにはいかないからです。

