採用担当者の立場になってみると…

情報が多ければ多いほど良いと考えるのは、「作り手」側のエゴです。

必要のない情報を足せば足すほど、何が言いたいのか分からなくなります。そもそも、あまりにも膨大な資料だと、読む気が失せてしまいます。

採用活動でも、まったく同じ話です。

企業の採用担当者や、面接官は、日々たくさんの人の職務経歴書に目を通しています。場合によっては1日に20枚以上の書類を読むこともあるでしょう。

そして、そのプロセスの目的は、「誰を優先して面接に呼ぶか判断すること」です。

その判断ができる情報を、なるべく短時間で見極められるのがベストな書類であり、合格か不合格かを決めるのに時間がかかってしまうのはダメな書類です。

原則として、職務経歴書は2ページ以内にまとめてください。

10年以上前の経歴などは細かく書く必要はありません。資格や受賞歴なども、転職先の仕事と直接的に関係しないものは「ノイズ」になってしまうので、最初から書かない方が良いでしょう。

どうしても付け加えておきたい情報があってページ数が多くなってしまう場合は、職務経歴書から切り離して「添付資料」として別紙にしてください。

職務経歴書はあくまで2ページ以内にまとめ、そのほかの参考資料として提出するのです。

その方が、「簡潔に完成度の高い書類を作成できる人材」として評価が上がります。

履歴書
写真=iStock.com/CreativeJP
※写真はイメージです

「仕事ができなそう」と思われるだけ

ビジネスにおいても、必要な情報を分かりやすく短くまとめて、端的に伝えるのは重要なスキルです。

転職活動における書類選考とは、ある意味でその「書類作成スキル」を見られているとも言えます。

ビジネス文書の完成度が低く、やたらと文字数が多い割に、細かいところまで何度も読まないと欲しい情報が得られない場合、「この書類を書いた人、なんだか仕事できなそうだな……」と思われてしまうのです。

まとめると、応募書類に記載する情報はあまり増やしすぎない方が良く、きちんと読み手の気持ちを考えたうえで「必要十分な情報」だけに絞って、できるだけ簡潔にまとめるのが大事だということです。