面接官は「プラス材料」を求めている

面接官は、社内の採用決定会議において「なぜこの人を採用するのか」を説明する責任があります。

会社にとって、一人の正社員を採用するのは極めて大きな投資なので、そう簡単に「いいよ、いいよ」とGOサインを出してはくれません。

面接の場で、採用を決定するためにプラスとなる材料をたくさん与えてあげないと、面接官はその後の社内会議で上司や人事部を説得して承認をもらうことができません。

採用面接とは、あくまで

「あなたを採用すると、企業側にどのようなメリットがあるか」

という情報を、できるだけたくさん、具体的に、説得力と共に面接官に提供する場です。

この対策としては、一つ一つの質問をフックにしつつ、

・「私を採用してくれると、こんな業務を担当できますよ」
・「以前の仕事ではこんな経験があるので、御社でも生かせるはずです」
・「具体的に、御社のこういうビジネスの、この部分に貢献できます」

という明確なメッセージをひたすら送るのが良いです。

「自分のこと」ばかり語る不合格者たち

逆に言うと、面接では「自分の身の上話」をしてはいけません。

「現在の仕事で自分がいかに苦しいか」、「いかに切羽詰まった状態で、早く転職をしたいか」なんて、相手から見たらどうでもいいことです。

それにもかかわらず、多くの人が「相手のこと」ではなく「自分のこと」ばかり語ってしまいます。

私が外資系大手企業で採用面接を担当していたときには、40代・高学歴の大手有名企業出身者であっても、多くの人が「自分のこと」ばかり語って不合格になっていくことに非常に驚きました。

その人たちが思慮不足だとか、センスがないとかいう話ではなく、おそらく、ただ単に「面接慣れしていない」のだと思います。

新卒の就活以来、20年以上、本気で「職探し」をしたことのない人が、感覚だけで転職活動をすると、こういう状況になりがちです。