会議で議論が進まず、求める成果にたどり着かないときはどうすればよいのか。さまざまな企業の“組織づくり”をサポートするMIMIGURI代表取締役Co-CEOの安斎勇樹氏は「若手もベテランも、2種類の『問いかけ』を活用すれば突破口を開ける」という――。

※本稿は、安斎勇樹『新 問いかけの作法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

青い背景に書かれた吹き出し
写真=iStock.com/MicroStockHub
※写真はイメージです

2つの「問いかけのモード」を使い分ける

まずは、2つの問いかけのモードを紹介しておきましょう。この2つのモードの違いを理解し、場の状況に合わせてフカボリ(深掘り)とユサブリ(揺さぶり)のどちらが必要かを見定めるだけでも、質問の精度があがります。

フカボリモード

フカボリ(深掘り)モードとは、チームの暗黙の前提、共通の価値観、一人ひとりの考えていることが曖昧で、チームの根底にある「こだわり」がはっきりせずぼやけているときに、解像度を高めるためのモードです。場の前提を確認したり、一人ひとりの中に眠っている個性や価値観を引き出したりするモードです。汎用性の高い質問の型として、「素人質問」「ルーツ発掘」「真善美」という3つのパターンがあります。

【フカボリモードの質問の型】
1 素人質問:みんなの当たり前を確認する
2 ルーツ発掘:相手のこだわりの源泉を聞き込む
3 真善美:根底にある哲学的な価値観を探る
ユサブリモード

ユサブリ(揺さぶり)モードとは、固定観念や価値観のずれなどの「とらわれ」が見えてきたときに、揺さぶりをかけて、新しい可能性を探るためのモードです。染みついた言葉遣いを変えたり、発想の視点を転換したり、固定観念を直接的に破壊したりすることで、とらわれを打破するモードです。汎用性の高い質問の型として、「パラフレイズ」「仮定法」「バイアス破壊」という3つのパターンがあります。

【ユサブリモードの質問の型】
1 パラフレイズ:別の言葉や表現に言い換えを促す
2 仮定法:仮想的な設定によって視点を変える
3 バイアス破壊:特定の固定観念に疑いをかける
【図表】2つのモードと6つの質問の型
出典=安斎勇樹『新 問いかけの作法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

「素人質問」が効果的な理由

素人質問とは、チームにおいて前提となっている知識や情報に対して、まるで素人かのような、素朴な疑問をぶつけることです。

チームのみんなが当たり前だと思っている前提、価値基準、暗黙のルール、業界の常識、専門用語などに対して、ちょっとでも疑問を感じたら、その意味について確認をするのです。「これ、本当にみんなわかっているのかな?」と違和感を感じたら、そこにツッコミを入れていくイメージです。定型文としては、以下のような例が挙げられます。

【素人質問の質問パターン】
「すみません、これどういう意味ですか?」
「初歩的な質問なのですが、これはどういうことですか?」
「理解不足で申し訳ないのですが、このプロジェクトの目的はなんですか?」