子どもは「リターンを求めない投資」
「子どもがいるからがんばれる」
そう語る経営者の方に、私は何度も出会ってきました。
一見すると感情的で、経済合理性を超えた動機です。けれど、この非合理的な家族動機が資本主義を支えてきた原動力なのではないか――そんなふうに語ったのが、経済学者ゲーリー・ベッカーです。実際、「子どもや孫のために」という想いが、長期的な投資や価値観の継承につながっているのは、富裕層の支出傾向を見ても明らかです。これは単なる家族計画や教育に熱心であることとは違い、未来を見据えた生き方なのかもしれません。
もちろん、そこにあるのは合理性だけではありません。先祖から受け継いだ財産や名前、家族の絆、そうしたものを大切にしながら、「この先の世代に託したい」という気持ちが、その根底にあるのだと思います。
子育てには時間もお金もかかります。そして悩みもつきません。でも、それを「リターンを求めない投資」として考えてみると、実は一番深くて本質的な合理性が見えてきます。心理的な面から見ても、「子どもが複数いることで人生の充足感が増す」と感じる富裕層は少なくありません。自分の成功を誰かと共有したい、家族と一緒に分かち合いたい――そうした感情そのものが、「お金よりも大切にしたいもの」として、人生の軸になっているのです。
子どもを留学させる理由は「英語力」だけではない
どれほど翻訳ツールが発達しても、英語力があることの優位性は失われないでしょう。翻訳ツールに頼ることなく、頭で考えたことを瞬時に英語に置き換えてコミュニケーションする能力や、英語で発信された情報を素早く吸収できる能力は身につけておくに越したことはありません。そして、英語で発信される圧倒的な情報量にアクセスできる力。これは、これからの時代を生き抜くための大きなアドバンテージになります。
富裕層の間では、早い段階からインターナショナルスクールや英語圏の学校、サマースクールや短期の語学研修など、「英語に触れる環境」への投資が積極的に行われています。ただし、これらの目的は早期に英語力を身につけさせることだけではありません。
今やインターネットで世界中の風景を目にし、その気になれば世界中の人たちと交流できる時代ですが、それでもなお、一定期間、現地で暮らしてみる以上に価値のある海外体験はないでしょう。
たとえば、インターナショナルスクールのような国際色豊かな環境では、自分の意見を持ち、異なる背景を持つ人と対話しながら互いを理解しようとする「国際感覚」が自然と育ちます。
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